2008-08-31から1日間の記事一覧

覚悟

早いもので、今日で8月も終わる。8月は体調を崩した風太郎との付き合いが濃密な一ヶ月だった。計四回病院に担ぎ込んだ。嘔吐と下痢をくり返し、餌もまったく口にしなくなり、立ち上がるのもやっとで、まともに歩けない日もあった。それでも、病院に入ると…

いっそのこと眼を瞑って歩いて写真を撮りたい

歩くこと自体を楽しむようになると、まるで足が眼になったような、あるいは足で世界を見ているような感覚が芽生えてくるから不思議である。足の眼が脳に合図を送ると、脳が手に指令を送り、カメラのシャッターを切る。そんな一連の無意識の動きが少しずつ身…

記憶と引用

歌の祭り作者: ジャン・マリ・ギュスターヴ・ルクレジオ,Jean Marie Gustave Le Cl´ezio,管啓次郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/03/15メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (18件) を見るメキシコの夢 旅は、心へと向かうものでなけ…

よく分からないのがイイ

左:『文學界』2006年1月号表紙:内藤礼「返礼」2005(アサヒビール大山崎山荘美術館) 右:『文學界』2007年9月号表紙:内藤礼「母型」2007 id:mmpoloさんが内藤礼の作品は「よく分からない」と書いている。 「内藤礼の作品がよく分からない」(『mmpoloの…

露草の記憶

「未亡人の涙、ノラニンジン」 露草の古名「つきくさ」は、花弁に触れると青色が「付きやすい」ことに由来するらしいが、野原で遊んでいて知らず知らずのうちに手や衣服に青い染みが付いていた子供の頃の記憶が微かに蘇っていた。雑草の生い茂る家裏にも露草…

クルミ、ツユクサ、シラハギ

札幌、曇りのち晴れ。無風。涼しい。真駒内競技場上空あたりをヘリコプターが旋回していた。バリバリバリバリ、空気を裂く音に微かな恐怖を感じるようになった。玄関を出た直後、ボタ、ボタ、ボタと音を立てて何かが上から地面に落ちてきた。何だ? と思って…