2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

記憶に値するもの

ニセアカシア(Locust tree, False acacia, Black locust, Robinia pseudoacacia L.)ケヤキ(欅, Zelkova tree, Zelkova serrata)の落ち葉。 「いま、ここ」から目を逸らさないことは難しい。あの日私が記憶に留めたのは、壊れたブラインドの隙間から洩れ…

書物を流れる時間

異郷の季節作者: 鈴木道彦出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2007/03/10メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (6件) を見る 以前触れた『越境の時』(集英社新書、2007年)の刊行に合わせて新装版が発行された鈴木道彦著『異郷の季節』(み…

夢という記憶

プラタナス(Platanus)の落ち葉。散歩中、明け方見た夢を思い出した。いつものように私は大学の駐車場に車を停めて、建物の入口に向かった。その途中にある一面雪に覆われた一角に黒い二つの人影が見えた。目を凝らしてもピンぼけの写真のようで、その二人の…

リトアニアの悪魔とフィンランドの悪魔

Hugo Simberg : The Farmer's Wife and the Poor Devil, 1899, 19x12,9, paper (A II 968:34) *1前エントリーで取り上げた『フローズン・フィルム・フレームズ――静止した映画』(木下哲夫訳、河出書房新社)の第三部に、以前、"Nowhere"の解釈へのこだわりか…

映画と写真の「間」:ロラン・バルトとジョナス・メカス

From Jerome Hill's window, Cassis, 1966. From the film, Notes for Jerome Winter in Soho, December 1977. From the film, Paradise Not Yet Lost ロラン・バルト(Roland Barthes, 1915-1980)の古い研究ノート「第三の意味 エイゼンシュテインの映画から…

ツララ

札幌、晴。寒い。つま先が凍える。軒先のツララに目が行く。軒のある家やアパートは少ないほうだろうか。原生林では姿の見えない野鳥の甲高い囀りが耳に響く。 おっと。サフラン公園入口に突如出現した雪塊は少し成形され、板囲いされていた。でも、まだ何な…

センター試験の朝

いわゆるセンター試験、正式名称は「大学入学者選抜入試センター試験」、初日の朝、今日の日を狙ったように昨夜から降り続ける雪のなかを出勤する。今日の夕方の藻岩山(Mt. Moiwa, January 19th, 2008, no.1 & no.2)。

愛は不在そのものである

*1 昨日のエントリー「生命維持装置としての詩」の蛇足。昨日もちょっと触れた、ジョナス・メカスがおそらく「彼自身のための歌」でもあると感じているはずのゲンナジイ・アイギの「私自身のための歌(SONG FOR MYSELF)」はこう始まる。 secret song: "I wa…

まだ何ものでもないものとの遭遇

今朝の散歩で見かけたサフラン公園入口の雪の「作品」が、仕事帰りに通りかかったら、本当に作品らしくロープで囲われているのが目に入って驚いた。向かいのセイコーマートというコンビニエンスストアーで買い物をしたついでに、傍に行って撮影した。それら…

オオウバユリ、筵の冬囲い

札幌、曇り。冷え込む。今朝の藻岩山(→ Mt. Moiwa, January 17th, 2008)。おばあさんがストックを突きながら歩いて来るのが見えた。 原生林のオオウバユリ(大姥百合, Cardiocrinum cordatum var.glehnii)。 町内では珍しい生け垣の筵(むしろ)の冬囲い(…

生命維持装置としての詩:『アイギ詩集』

メカスの365日映画のおかげで旧ソ連のチュヴァシ出身のゲンナジイ・アイギという名の詩人を初めて知った。 a Chuvashian poet, Gennady Aygi:365Films by Jonas Mekas(2007-11-21) それで興味が湧いて、メカスが強く薦めていた"FIELD - RUSSIA"(New Direc…

「ベイルートの朝」から『9.11-8.15日本心中』を連想した

昨日のことだが、アンテナをチェックしたら、偶然、 「ベイルートの朝」(平民新聞, 2008-01-15)と 「TO MASTURBATE, MASTURBATION」(GetUpEnglish, 2008/01/15) が並んでいて可笑しかった。そして、「ベイルートの朝」に感心しながら、一昨年観た大浦信…

札幌、晴

朝、少し湿り気を帯びた雪が5cmくらい積もっていた。電線に雪が積もっていた。雪が湿っているしるし。今朝の藻岩山(→ Mt. Moiwa, January 16th, 2008)。手前の電線に雪が積もっている。 原生林の鉄柵にも雪が積もっていた。 どんど焼きは本来の15日だと思…

札幌、晴れ

今朝の藻岩山(Mt. Moiwa, January 15th, 2008, Day 88)。 スズメ(雀, Tree Sparrow, Passer montanus)。 エゾノコリンゴ(蝦夷の小林檎, Siberian Crabapple, Malus baccata var. mandshurica)かヒメリンゴ(姫林檎, Chinese crab apple, Malus prunifoli…

Nowhere=Paradiseに対する違和感

昨日のエントリー「Langasさんの『リトアニアへの旅の記録 2001年夏』:日記と本の境界の揺らぎ」の終りで"I Had Nowhere to Go"(1991)というメカスの著書のタイトルの"Nowhere"の意味に対するこだわりについて少し書いた。実はそのひとつの背景に、次のよう…

ハマナスの実

札幌、雪。寒気ゆるむ。ひさしぶりにまとまった量の降雪あり。新たに10cmほど積もる。が、総積雪量は20cmくらいか。昨年の今日の様子を見ると、二倍以上はあったように見える。藻岩山は裾野付近以外は雪にけぶって見えなかった(→ Mt. Moiwa, January 14th, …

Langasさんの「リトアニアへの旅の記録 2001年夏」:日記と本の境界の揺らぎ

ジョナス・メカス関連で検索していて、目がしょぼしょぼし出した頃、フィンランド在住のLangasさんのちょっと古い記録が目にとまった。 「リトアニアへの旅の記録 2001年夏」 そのページにはリトアニアで2000年に出版された未邦訳のメカスの著書の表紙写真(…

カピバラの写真、どんど焼き

昨夜遅くに論文をほぼ書き終えて、「砂漠の真ん中」のような場所に立って周囲を見回して、寝た。朝起きて、論文は、今日中に片付けてしまおう、と思いながら、散歩に出た。曇り、のち小雪。藻岩山は雪に烟って見えなかった。散歩中、微かな違和感が生じた。…

デジアナ折衷路線

「ジョナス・メカスの365日映画の軌跡------記憶と忘却の狭間で」(仮題)という論文というか研究ノートを書いていて、副題にある通り、私自身、記憶と忘却の狭間で翻弄されている。見ないと思い出せないことが多い。見ると思い出せる。ただし、見る方法が難…

雀の夜明けの大合唱

いつもより少し早起きしたおかげで、雀の大群に出逢うことができた。家を出た途端に夜明けの大合唱(The Dawn Big Chorus)が聴こえた。近所のある家の庭の低木に、オー、どうした、どうした、と声を上げそうになるほど沢山の、おそらく50羽以上の雀が所狭し…

活版印刷ワークショップ続報、アフンルパル探究企画

篆刻師兼ブルース歌手でもある酒井さんが主催する活版印刷ワークショップが実現しそうでとても嬉しい。 活版印刷ワークショップ。(『古い日記』2008年01月07日) 「漉いた和紙に印刷することも出来」るらしい。ワクワクする。いかにもアートっぽい企画なん…

二つのグリーティング・カード

橋村さんから素敵なグリーティング・カードが届いた。 ニューヨークはロックフェラー・センターのスケートリンクの夜景写真だった。映画で観たような気がするが、はっきりとは思い出せない。スケートリンクの向こう側では大小のクリスマスツリーがイルミネー…

残酷さを秘めた最高に美しい「復讐」の宣言

heiminさんがいいことを書いていた。 「おいどんはただ生きてるだけよ」(『平民新聞』2008-01-11) そして何かに負けたわけでもなく、勝ったわけでもない、ただ生きている、それだけのことよ、という当たり前の事実を受けとめて、ぼくは口笛でも吹きながら…

寒朝の空景

札幌、晴。冷え込む。空が「軽く」なり、多彩な雲、その軌跡に目を奪われる。今朝の藻岩山→ 365日藻岩山84日目(365 Photos of Mt. Moiwa, Day 84)。

何のための書籍電子化なのか?

「simpleA」でややあきれ気味に報告されているわが国の書籍電子化動向をたいへん興味深く読んだ。 [書籍電子化]最低でも知っておくべきこと(2008年01月09日) [書籍電子化]ホントに、国会図書館には3000万冊もあるのか?(2008年01月10日) そしてすぐに、…

どんど焼きは13日、ヌルデの実

札幌、雪。散歩中もずっと細かい雪が降り続いていた。藻岩山は見えない。365日藻岩山83日目。かなり冷え込んでいる。雪を踏む靴音はキュッ、キュッと全く融けない時特有の音。 この煙突のとんがり頭が白くなるのは、降雪が激しいサイン。 どんど焼きは13日か…

ジョナス・メカスがコトラーに繋がる

ジョナス・メカスの「個人映画」に関するテクストでこれを凌ぐものはなかなかないだろうとかねがね思っている蓮實重彦「個人映画、その逸脱の非構造」がよもやウェブ上に存在するとは思ってもみなかったが、一部存在していた。しかし宙に浮いたような不思議…

a Giant Lily in the snow

a garden in the snow a Giant Lily(Cardiocrinum cordatum var. glehnii)in the snow*1 [f:id:elmikamino:20080109111740j:image] "Come ooon" "No!" 365Photos of Mt. Moiwa, Day 82 Video - Fragments of Life: Tanpopo Park in the snow, 60sec. *1:オ…

野生のフォークソノミー、ジョナス・メカス365日映画の軌跡

年末から二本の論文の執筆に追われている。一つは明後日が締め切りで、もう一つは18日が締め切り。明後日締め切りの論文は先ほどなんとか完成のメドがたった。タイトルは「野生のフォークソノミー------検索可能世界の意味」、要するにフォークソノミーを大…

猫、消火栓野外授業、樽前山、風不死岳

365 Photos of Mt. Moiwa(365日藻岩山)81日目。少し冷え込む。降雪数ミリ。今日東京に戻る上の娘が散歩に同伴する。風太郎は嬉しそうだった。当たり前だが、娘と私では見るものが全く違う。 娘に教えられた軒下でひなたぼっこする猫。 ???何かを取り囲…