2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

最古の万葉仮名文

新聞の切り抜きを整理していて、「最古の万葉仮名文」という見出しの記事が目に留まった。2006年10月31日の朝日新聞朝刊である。本文を引用する。 大阪市中央区の難波宮跡で、7世紀中頃のものとみられる、日本最古の万葉仮名文が書かれた木簡が見つかったと…

ツルニチニチソウ、ハクモクレン、キタコブシ

札幌、晴れ。暖かい。Tシャツ一枚でも平気なくらい。 原生林の裸の樹々も少しずつ緑になってきた。 いろんな形のスイセン(水仙, Narcissus, Narcissus)があちらこちらで目につく。 どんな花を咲かせるのか。 Aさん宅の庭の隅っこにツルニチニチソウ(蔓日…

『螺旋歌』が届いた日、ポラロイドカメラがなくなるかもしれないと知らされた

先日、古本屋の吉成さんが頼んであった吉増剛造の『螺旋歌』(河出書房新社、1990年、asin:4309006310)を届けてくれた。奥付には「印刷………凸版印刷株式会社、本文組指定…清水將文」とある。活字の凹み具合から活版印刷と分かる。ところで、吉成さんからポラ…

印刷に恋した人たちがいた

今から10年ほど前に「印刷に恋した」人たちがいた。編集者の松田哲夫さんとイラストルポライターの内澤旬子さん。 asin:479496501X 私は活版印刷の体験をきっかけにして、活版印刷以外の印刷技術についても詳しく知りたいと思っていた。しかしなかなか私の欲…

小カギの消息

asin:4888882355 府川充男氏が大カギと小カギの遣い分けルールを記した例外的なマニュアルとして挙げていた日本エディタースクールの『標準 校正必携』の「第七版 電算植字対応版」(2006年)に目を通した。 文字の辺境、無音の約物の世界は賑やかだ(2008-0…

シモクレン、キタコブシ

札幌、晴れ。暖かい。 原生林の中にちょっとだけお邪魔して、枯れ立つオオウバユリ(大姥百合, Giant lily, Cardiocrinum cordatum var.glehnii.)を初めて間近で見上げた。丈2メートルくらいか。 エゾエンゴサク(蝦夷延胡索, Corydalis ambigua)も間近に…

合衆国社会保障番号(SSN)申請の思い出

いい歳になってから、初めて日本を離れ、異国の見知らぬ土地で一年間一人暮らしをした。右も左も分からぬ状態から生活を一から立ち上げなければならなかった。それはそれは大変の連続でこのまま野たれ死ぬのかと何度も思ったが、超面白い体験でもあった。一…

明朝体の遺伝子

asin:4174145008 真性活字中毒者の間でちょくちょく話題に上っていて気になっていた『明朝体活字字形一覧––1820年〜1946年––』が届いた。A4版上下二巻本、総頁数725頁。文化庁が平成11年(西暦1999年)に発行した政府刊行物の一種「漢字字体関係参考資料集」…

カタクリ、レンギョウ、ルリカラクサ

札幌、晴れ。 オッす!*1 カタクリがカタクリらしい姿になっていた。不思議なものだ。どうして花弁をオールバックにするようになったのか。スプリング・エフェメラル特有の昆虫との共進化の賜物だろうか。こうする理由がきっとあるはずだ。 ああ、黄色の花が…

見知らぬ花

札幌、曇りのち晴れ。藻岩山は濃い霧に隠れて見えなかった(→ Mt. Moiwa, April 17th, 2008)。こんなところに、ぽつんと見知らぬ花が咲いていた。かなり調べたが名前は分からなかった。園芸品種だろうか。

『ウェブ進化論』とともに

新入生14人を相手に半年間行う入門演習で教科書に使うために注文してあった梅田望夫著『ウェブ進化論』(ちくま新書、2006年2月初版)14冊が届いた。『ウェブ進化論』は、世界はどうなっているか、どうなりつつあるかを知るだけでなく、世界はどうあることが…

親子で「書」!

文字を書く楽しさが伝わってくる父と子の手書きジャム・セッション。出演はWouters父子。"abcdefghijklmnopqrstuvwxyz", 04:21 タイトル・クレジット: "abcdefghijklmnopqrstuvwxyz" a video by Job & Roel Wouters recorded in Amsterdam at studio Xelor …

(オオ)カワラヒワ?

夕方、裏山の林にスズメ大のスズメより頭は小さくて嘴は大きな野鳥を四、五羽見かけた。一家のように見えた。オオカワラヒワ(大河原鶸, Grey-capped Greenfinch, Carduelis sinica kawarahiba)かカワラヒワ(河原鶸, Oriental Greenfinch, Carduelis sinic…

欧文書体当てっこクイズ The Rather Difficult Font Game

about エイプリルフールに生まれたフィンランドのカリ・パティラ(Kari Pätilä)さんの粋なサイトSay It Ain't Slowで三日前に公開されたばかりの、フォント・ゲームをやってみた。 The Rather Difficult Font Game ちなみに、上に表示されている第一問の"fa…

エゾエンゴサク

札幌、晴れ。んー?、お前は?ちょっと重そうにうなだれた見たことのない花が。葉の形、付き方も初めて見るタイプだ。中国では迎春花(インチュンホワ)と呼ばれ、幻の野草ともいわれるオキナグサ(翁草, Pulsatilla cernua)のようだ。原生林の奥に青紫の点…

ガリレオとマティスの革命的ページ・レイアウト

以前、英米語編集者たちが聖書のごとく参照する『シカゴ・マニュアル』と「タフテ」ことEdward Tufte, The Visual Display of Quatitative Information(Graphics, 1983)について書いた。 タフテ、タフテという呪文(2008-04-02) その後、タフテの新作である…

情報文化論2008 第2回 From Chaos to Order 世界は君に秩序づけられることを待っている

今回、講義を受けられなかった人は読んどいてね。先ずはシナリオ的メッセージから。 さて、「私」は混沌としているようにも見える世界のなかに改めて入って行こうとしている。世界はどうなっているのか、どこからどうやって世界の真相に近づくことができるの…

ツクシ

札幌、晴れ。おー、こんなところに、ツクシ、ツクシ、ツクシ…。思いがけず、気持ちがヒジョーに明るくなった。ツクシ(土筆, Field Horsetail, Common Horsetail, Equisetum arvense)はスギナ(杉菜)の胞子茎。日本では「筆」のイメージが、欧米では「馬の…

カタクリ

札幌、薄曇り。風が冷たかった。あー、ひどく項垂れた花が…、カタクリ(Katakuri, Dogtooth violet, Erythronium japonicum)かな、と思ったら、そうだった。町内初。スプリング・エフェメラルのひとつ。

春学期がスタートして

先週から春学期が開始して、私が担当する講義ものの情報文化論、情報倫理、論理学入門も初回を一通り終えました。情報文化論では大学生としての自覚を深く促しつつ、情報文化史的な背景を押さえた上でインターネットをフル活用した知的生産のための態勢作り…

千二百年前、キミ(君)は伎美、伎見、吉美、枳美、岐美でOKだった‽‽

築島裕『歴史的仮名遣い』(中公新書、1986年、asin:4121008103)の「一 仮名遣いはなぜ起こったか––いろは歌の成立とその展開」を読みながら、興奮した。奈良時代には発音と仮名の関係は、こんなに自由だったのか、しかもその後区別されなくなる微妙な音、…

自転車の錆び落とし

我が子たちが使わなくなって、二年近く半ば放置してあった自転車、といっても通称ママチャリ、のことがふと気になって、家裏から表に引っ張り出した。鉄の部分が見事に錆びついて、全体的に茶色の印象だった。タイヤの空気もほとんど抜けていた。よし、と決…

ライラック

札幌、四日ぶりの青空が広がる。昨日は寒かった。午後から雪がちらついていた。まだ少し冷たい空気が気持ちいい。春とはいえ、まだまだ「色」は少ない。民家の庭ではフクジュソウかクロッカス、ごくまれにチオノドクサ(ユキゲユリ)やユキワリソウを見かけ…

千五百年にわたる日本語のかたちを鳥瞰する

日本語のデザイン (新デザインガイド)作者: 永原康史出版社/メーカー: 美術出版社発売日: 2002/03/26メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (19件) を見る 永原康史『日本語のデザイン』(美術出版社、2002年)をときどき手に取って…

近づけない祠

人里離れたある沢を流れる川の上流に粗末な作りのかなり傷んだように見える祠(ほこら)がある。以前から気にかかっていた。先日、山中の寺を偶然訪ねた帰りにふらりと見に行った。このように、すこし川に突き出した淵の上に危ういバランスで建っている。川…

つい百年前の自国の文字を読めない不自由の異常さ

これは讀めるが…。 「いろは」、『竪一行双幅』部分 昔から好きだった良寛(Ryōkan Taigu, 1758–1831)の書を入口に「断絶」の彼方にある「旧字旧かな」の世界に入って行こうとしている自分がいる。良寛の「脆弱を恐れず、寂寥を忘れず」の生き方と「切実」…

ツツジ、ハクモクレン

札幌、曇り。肌寒い。驚いた。あるお宅の庭のツツジ(躑躅, Azalea, Rhododendron)が花開いていた。雨の滴を留め美しい。種名までは分からない。サフラン公演のハクモクレン(白木蓮, Magnolia denudata, Yulan magnolia)のたくさんの蕾みがほころびはじめ…

知らなかった、3・29東大ネグリ講演会の顛末

コピーレフト(copyleft) id:femmeletsさんのところで、興味深いコピーレフトの原稿「ネグリはどこに行ったか?」が転載されていた。 (転載)3・29ネグリ・イヴェントについての見解(コピーレフト)

ホオズキ、スモモ

札幌、薄曇り。 昨日のヒマラヤユキノシタのそばに冬を越したホオズキ(酸漿, Chinese lantern plant, Physalis alkekengi var. franchetii)の実が。 廃庭の隅っこ。雪の重みでかなり痛み、無惨に剪定されたスモモ(李, Japanese plum, Prunus salicina)が…

透明な「文字」ソノモノなど、どこにもない

文字コードに関心を持った2000年頃に買った小池和夫・府川充男・直井 靖・永瀬唯著『漢字問題と文字コード』(太田出版、1999年)をこの度は漢字への関心から読み直していた。やはり「真性活字中毒者」たちが活躍していたのだった。 asin:4872334868本書の内…