2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧
時々無性にバッハが聴きたくなる。 asin:B000009SDY バッハにまつわる思い出はたくさんあるが、今でもよく思い出すのはアメリカにいたとき仲良くなったロン・サンド(Ron Sand)という名前の老人がクリスマスにプレゼントしてくれたポール・ガルブレイスのギ…
日本ではほとんど「山菜」というカテゴリーのなかにひっそりと存在するに過ぎないように思われるシダ植物(Fern)を見るたびに、私は記憶のどこかがくすぐられるような妙な感覚を覚える。そもそも「羊の歯」のような、鳥の羽のようなプリミティブな造形に惹…
今朝も桜吹雪を写真に撮ろうとしてある桜の木の下で数分間粘ったがダメだった。あきらめてアスファルトの路面に落ちた花びらを撮った。花びらが風に舞い落ちる複雑で美しい瞬間なんてのは散歩の片手間とかじゃなくて、やっぱり本格的にもっと時間をかけて粘…
拾って持ち帰ったシナノキの小枝を供えたところ*1 昨日意外な結末を迎えたと報告したシナノキの折れた枝について、実は今朝思いがけない情報を得た。いつものように、サフラン公園の入り口に立つシナノキの下を通り、公園内を横切ろうとしたとき、シナノキの…
札幌、晴れ。風強し。空気がまた少し濁っている。藻岩山が霞んでいた。 原生林で見たことがあるような、よく見るとないような、黄色い花が目に留まる。ヤマガラシ(山芥子, Barbarea orthoceras Ledeb.)だった。別名ミヤマガラシ(深山芥子)。アブラナ科。…
札幌、朝のうち晴れ。ときどき強い風が吹いた。あちらこちらで桜吹雪に出会う。見とれた。数本の桜の木の下では桜吹雪のなかにしばらく佇んでビデオを撮ったが、ちゃんと写っていなかった。散歩後半、サフラン公園に近づいたとき、嫌な予感がした。いつにな…
先日、yukioinoさんのところで、鳥インフルエンザにふれたエントリーとそれをめぐるやりとりを目にした。胸騒ぎを覚えた。先月末、朝の散歩時に原生林で弱ったマガモを見かけたからである。その後、そのマガモの姿は見なかったが、今週の月曜日に原生林のマ…
時々無性にビリー・ホリデイ(Billie Holiday, 1915–1959)の歌声を聴きたくなる。 YouTube - Billie Holiday - I'm A Fool To Want You, 03:22この曲(邦題「恋は愚かというけれど」)には興味深いエピソードがある。 声の中の人生(ビリー・ホリデイ - Wik…
あるお宅の庭の隅っこに白い花が。径1センチに満たない。花弁の先端が裂けている。5弁花。いい形だなあ。昨年悩まされたフウロソウの仲間かな、それにしては早すぎるなあ、と思って調べてみたら、シロミミナグサ(白耳菜草、snow-in-summer, Cerastium tom…
私が「日本語発声の師匠」と勝手に呼んでいる「ボサノヴァ日本語化計画」のOTT(あっと)さんが、久しぶりに新訳の音源をアップした。 lobo bobo(2008/05/16) いつもながら、J-POPをちくりと皮肉るのを忘れないところがいい。曰く、 前からやろうと思って…
札幌、晴れ。寒気は去った。 あるご婦人が毎朝手入れなさっている街路樹のナナカマド(七竃, Japanese Rowan, Sorbus commixta)を囲む小さな花壇に見知らぬ綺麗な青の花が咲いていた。何だろう? 白い大きな葯の雄蕊が飛び出している。葉の特徴(羽状複葉)…
私のつたない理解によれば、アートとは世界の自滅的あるいは破壊的動向に抗する終わりなき創造の戦いである。(カッコよすぎる。)毎朝私は町内の多くのもの、動植物、人間たちに会う。世界中の人たちが毎日自分の住む町で、たった30分でいいから、私のよう…
asin:4622048213 ひょんなことから、素白先生こと、岩本素白の随筆に出会った。「ジャーナリズムから遠く離れて生き、その消息は知るひとぞ知る」(本書裏表紙の紹介文より)と言われる、碩学の国文学者かつ恐るべき散歩の達人かつ随筆の名手との評判の素白…
変な旅に誘われた夢を見た。世界中の変な人に会いに行くという。会ってどうするの? と私が尋ねると、え? 分からないの? 会うだけだよ、という答えが即座に返ってきた。会うこと自体がすべてなんだ。とにかく会うこと。つながること。それ以上に大切なこと…
札幌、曇り、ときどき雨。気温は大分上がるが、複雑な雲の様子から大気は非常に不安定だと分かる。案の定、午後から、霰(あられ)が降った。 空き地に群生するワスレナグサ(勿忘草, Forget-me-not, Myosotis scorpioides)が一斉に開花していた。 タンポポ…
asin:456850337X 『タイポグラフィ(デザインの現場BOOK)』(美術出版社、2008年)の頁を捲っていて、「欧文書体のルールとマナー」が目に留まった。嘉瑞工房三代目の高岡昌生氏への「デザイナーが知っておきたい欧文組版の考え方」についてのインタビュー…
リアル横浜逍遥亭にお集りの皆さん、飲んでる?サッポロよりアイをこめて、カンパーイ!(サッポロ・ビールがあれば、もっと決まったんだけど...)楽しんでね(^^)
私が勝手に欧文書体の「師匠」と呼んでいる人がいる。小林章さん。現在ドイツでご家族と生活をともにしながら、書体設計、フォント・デザインの仕事に励んでおられる。その生活と仕事の一端に触れることができるのはブログのお陰である。 小林章のドイツ日記…
札幌、曇り。強風。大分、京都、名古屋、そして横浜の方から熱風が吹いてきたと錯覚する。 原生林の奥の方に黄色い花がぽつりぽつりと咲き始めた。クサノオウ(草の王, Chelidonium majus var. asiaticum)だ。花弁4枚のケシ科。古来薬草として知られる。和名…
札幌、晴れ。気温やや上がる。青空を背景に雲が美しく見えた。 原生林のサワグルミ(沢胡桃, Japanese Wingnut, Pterocarya rhoifolia)の枝が通りに被さるように伸びてきた。葉が茂るとよい影を作る。右側には街路樹のナナカマド(七竃, Japanese Rowan, So…
asin:4794961723 明治3年創業の中西印刷(京都)は1992年6月に活版を廃止した。活字版印刷専業だった同社の電算化を推し進めたのが本書の著者、六代目にあたる中西秀彦氏である。最後まで活字を愛した父親=伝統との「対決」を描いた「9 さらば、活版」は感…
昨日紹介し損なった、内澤旬子(画)& 南陀楼綾繁(文)両氏による「けものみち計画」の一環である「文豪擬獣化宣言」の第一回目は内田百閒=フクロウである。 WASEDA bungaku FreePaper vol.010_2007_fall けものみち計画の文豪擬獣化宣言1 内田百閒=フク…
札幌、曇り。風は弱まったが、相変わらず気温は低い。フリースを着込む。Tシャツ一枚で散歩した日の記憶が遠くに霞む。 原生林の下草の中に白黒の動く影を見た。あっ、猫だ。でも、どうして、あんなところに。声をかけるが、草に隠れて顔を見せない。雑草の…
GWで運良く、運悪く、二回休講をはさんでの、第4回の講義の準備をしながら、情報の伝わりやすさについてつらつら考えていた。字数の多いレジュメやタフテがこき下ろした情報密度、情報解像度の低いパワーポイント資料をあでもない、こうでもない、と結構楽…
やっとるでー ホシに曳かれて・・・行ってきます 京都会議は終わった・・・ ブログが縁の人のつながりが新たな段階を迎えている。従来のいわゆる「オフ会」とは明らかに一線を画す「オンかつオフ」のつながりの連鎖が加速している。それぞれに色々な人生を抱…
タンポポ公園のエゾノコリンゴ(蝦夷の小林檎, Malus baccata var. mandshurica)は全体が見事にピンクの蕾みに覆われた。一昨年たくさん実をつけ、野鳥たちの響宴の場所になった樹だが、昨年はほとんど実を付けなかった。今年は一昨年の再現となりそうだ。 …
日本梨と西洋梨は、果実を見れば、簡単に区別ができる。だいたい球形のが日本梨で、瓢箪(ひょうたん)みたいな形のが西洋梨。両者の概要はこちらで。 ナシ(日本梨、和梨) セイヨウナシ(西洋梨、洋梨) でも上の写真のように、結実する前の花と葉だけで区…
札幌、晴れ。風弱くなる。まだちょっと冷たい空気がとても気持ちいい。 空き地の掘建て小屋の壁になにやら「文字」の列のような模様が見えた。合成樹脂の板の表面が風化、劣化してできた線条だろうか。面白い。「A」とか「K」とか「Y」に見える線もある。…
WASEDA bungaku FreePaperに連載中の内澤旬子(画)&南陀楼綾繁(文)の「文豪擬獣化宣言」が面白い。 けものみち計画の2 菊池寛=豚(vol. 011_2007_winter) けものみち計画の3 大佛次郎=アザラシ(vol.012_2008_spring) 文豪の愛すべき人間性を愛すべ…
午後から晴れ間が広がり、昼の光の下で写真を撮りたくなって、散歩に出た。朝の散歩では最近通らない住宅街の中の道を選んで歩いた。正味一時間ほど。陽は射していても冷たい風のせいで朝よりも寒く感じたほどだった。猫には出会えなかったが、そのかわり朝…