2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

あんた、フリーかい

毎朝撮らせてもらっているダリアの写真を数枚一度届けてからは、塚本さんは出会うたびに渋い笑顔で感謝の短い言葉をかけてくれるようになった。そして大抵育てている花や野菜、それから椎間板ヘルニアの話になる。私のように散歩できるのが羨ましいとこぼす…

旅の記録・記憶の旅3:ボロボロのモレスキンの手帳にガススタンドの領収書が挟まっていた

古いボロボロのモレスキンの手帳にインクの色褪せたガススタンドの領収書が挟まれていた。2005年3月17日にGILROY GASで、8.386ガロン給油して18.44ドルをクレジットカード払いした領収書だった。挟まっていたのはその日の日記の頁だった。その日の朝、無謀で…

クロワッサンみたいな雲

今日は朝から大気が不安定で、散歩の途中では俄雨にもあった。空模様は刻々と変化し、ダイナミックな形の雲がいくつも見られた。そのなかでも、これは一番目をひいた。これを撮った私の背後の上空には、西に傾いた太陽がまだ覗いていて、それが雲の上部を照…

52歳のマサオ・アーム

一昨日、8月21日に52歳の誕生日を迎えた。朝、携帯に坂東さん(id:keitabando)からハッピーバースデーメールが届いてびっくりして思い出した。すっかり忘れていた。そのうち、Facebookで山崎さん(id:caesarkazuhito)と再び坂東さんから、そしてメールで小…

Art Form in Nature:Prickly lettuce

トゲチシャ(刺萬苣, Prickly lettuce, Lactuca scariola) 関連エントリー カール・ブロスフェルト(Karl Blossfeldt, 1865 – 1932)(2009年07月04日) Art Form in Nature:Dahlia(2009年07月24日) Art Form in Nature:Orchid cactus(2009年07月25日…

花吊舟草、岩桔梗

ハナツリフネソウ(花吊舟草, Poor Man's Orchid or Balfour's touch-me-not, Impatiens balfourii) ツユクサ(露草, Dayflower or Widow's tears, Commelina communis) ノラニンジン(野良人参, Wild Carrot, Daucus carota) タチアオイ(立葵, Hollyhoc…

生物としてのプライマリーな調整能力

下川さん(id:Emmaus)、コメント欄が次頁に隠れてしまったこともあって、最新のコメントをこちらに引用させていただきますね。悪しからず。 時間の取り扱いって大事です。 実は四月からずっと腰(椎間板ヘルニア)がよくなくてもっと悪くなって10歩も歩けな…

堕落と風景の破壊

辺見庸による渾身のチェット・ベイカー論「甘美な極悪、愛なき神性」の中の言葉。 ああ、人はここまで堕ちることができるのか。にもかかわらず、いや、だからこそ、ここまで深くうたえるのか……。(辺見庸『美と破局』毎日新聞社、2009年、18頁、asin:4620318…

反消費の逆説

辺見庸による渾身のチェット・ベイカー論「甘美な極悪、愛なき神性」のひとつの眼目は、「反消費主義」、「反資本主義」にある。辺見庸は「仮説からの推論」、「妄想」と断った上で次のように語る。 もうひとつの推論は、チェットという甘美な悪は、あまりに…

晴れ。藪蘭、秋明菊、西洋風蝶草、草山丹花

おっと、そんなところにいたか。黒猫(Black cat)。 ダイズ(大豆, Soybean, Glycine max)。枝豆は未成熟な大豆を収穫したもの。 ヤブカンゾウ(薮萱草, Orange daylily, Hemerocallis fulva var. kwanso) シュウメイギク(秋明菊, Japanese anemone, Ane…

彼女は優しくノーと言った

N館さんちのセイヨウフウチョウソウ(西洋風蝶草, Cleome or Spider plant, Cleome spinosa) あるお宅の前を通りかかったとき、庭で風蝶草が風に揺れていた。今まで気づかなかった。丁度玄関から出てきたN館夫人に風蝶草を指差しながら声をかけた。「あの…

魂と霊

同僚の数学者、山内さんが、私と下川さん(id:Emmaus)とのコメント欄でのやりとり(http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20090819#c1250698984)を面白がってくれて、特に「魂と霊の違い」について、次のような魅力的な意見をメールで寄せてくれた。山内さん…

曇天、亜米利加芙蓉、藪蘭

M平さんちのユリ(百合 Lily, Lilium) マツヨイグサ(待宵草, Evening-primrose or Suncups or Sundrops, Oenothera biennis) ジャノメチョウ(蛇の目蝶, Dryad or Browns, Minois dryas)とオオイタドリ(大虎杖, Giant Knotweed, Polygonum sachalinens…

地平という無言のバイブル

たしかに、藤原新也が語るように、ぼくらは実は傾き歪んだ地平とは言えない浅はかな舞台の上で生きることを余儀なくされてきたようだ。 ぼくは、<旅>を続けた……多分に、愚かな旅であった。時に、それは滑稽な歩みですらあった。歩むごとに、ぼく自身とぼく…

カメラの限界か、立繁縷。腕の限界か、鋸髪切虫。

ハコベはハコベでも、花弁が極端に小さく(2、3ミリ)、しかも花弁が裂けていない。萼片は花弁よりも長く鋭く尖る。タチハコベ(立繁縷, Three-nerved Sandwort, Moehringia trinervia)。 撮影しようとカメラを近づけると逃げ回るノコギリカミキリ(鋸髪…

植物であることの幸福

Le bonheur d'être plante 最近私の中には、時代も国も異なる二人の植物学者がいる。彼らの「眼」を借りて、そしてカメラの「眼」を借りて、植物の存在の意味を学びほぐして(unlearn)いる。同じ植物学者でも、カール・ブロスフェルトはいわば植物の屍体を…

小雨模様、藪蘭

バラ(薔薇, Rose, Rosa) トゲチシャ(刺萬苣, Prickly lettuce, Lactuca scariola) アサガオ(朝顔, Japanese morning glory, Ipomoea nil) オオイタドリ(大虎杖/大痛取, Giant Knotweed, Polygonum sachalinense)。背景はケヤキ(欅, Zelkova tree, Z…

花に囲まれた家

Portrait of Mrs. Menkoine(2009年06月01日) 「めんこいねえのおばあさん」の家は今たくさんのダリアや菊の花に囲まれている。今朝も何回もシャッターを切った。春にはシャクヤクやボタンの花に囲まれていた。花の季節を通して、「これぞ花!」という感じ…

植物のアルファベット

カール・ブロスフェルトの植物写真に倣って、散歩で出会う植物の「形態」を見極めるということを続けるなかで、しかし、どこかでブロスフェルトの写真から漂う死んだ植物の「死臭」に抵抗するように、「生きた植物」の「生きた形」を捉えようとしている自分…

秋明菊、トウモロコシの授業

三泊四日の道東の旅、そして道南の室蘭での墓参りを終えて、一週間ぶりに町内を歩く。車で移動しながら、大きな空や広い土地を見ることに慣れた目と体が、小さく切り取られた空や見通しのきかない狭い空間に軽い抵抗を覚えながら、少しずつ入って行く。まだ…

Art Form in Nature:Common rose mallow

アメリカフヨウ(亜米利加芙蓉, Common rose mallow, Hibiscus moscheutos)の蕾 関連エントリー カール・ブロスフェルト(Karl Blossfeldt, 1865 – 1932)(2009年07月04日) Art Form in Nature:Dahlia(2009年07月24日) Art Form in Nature:Orchid cac…

墓参り

旅から帰ると、案の定、不運な出来事が起きた。室蘭入りした12日の夜から妻の母の家に二泊したのだが、最初の夜に、買ったばかりの気に入っていた帽子を外出先でなくしたのである。方々探しまわったが、結局見つからなかった。とほほ、、。 13日は、終日風雨…

驟雨

昨日は怪しい空模様の下、傘を持って散歩に出た。まもなく驟雨に合い、ずぶ濡れになったが、楽しかった。傘を打つ雨の音が次第に激しく大きくなる。 caught in a shower, 53sec.

旅の報告12:養老牛、裏摩周

左手に根室海峡を望みがら、羅臼から国後国道(国道335号線)を南下する。知床半島の付け根あたりで内陸に折れ、中標津町を横断して裏摩周へ向かう。途中、養老牛で「牛文字山」の麓を掠める。 根室海峡を望む 道道150号線 おお、禿げ山に「牛」の文字が! …

旅の報告13:青い池「神の子池」

裏摩周から、いよいよ待望の青い池「神の子池」に向かう。道道1115号線から砂利の林道に逸れてしばらく行くと、それは本当に青い水を湛えてそこにあった。ハナアブ(花虻, Hoverfly)の大群が池に近づく人間に集り、追い返さんとするかのようだった。神の子…

旅の報告14:幸運の借金

旅の三日目、知床から裏摩周まで道東を時計回りにぐるりと一周して網走に戻った頃には、西の空は夕焼けに染まりはじめていた。普段の行いの悪さにもかかわらず、この三日間は晴天続きだった。「これは奇蹟だ」と皮肉られた。幸運を借金しているようで怖かっ…

旅の報告8:鶴居村夢工房、摩周湖、小清水町原生花園

鶴居村夢工房にてシーフードカレーを食す。絶品。 弟子屈町の摩周湖に立ち寄る。 林のトンネルを抜けてオホーツク海に近づく。 小清水町の原生花園のハマナス。 国道244号線、小清水町。 やっとオホーツク海、網走市。 参照 鶴居村ウッディホテル&レストラ…

旅の報告9:網走郷土博物館でオホーツクのヴィーナスを見る

網走郷土博物館で、やっとあのオホーツクのヴィーナス(モヨロ貝塚のヴィーナス)を見ることができた。山口昌男が中学生の頃居候していたという赤いドームの展望室が目をひく網走郷土博物館の洋風建築はフランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright, 1867–…

旅の報告10:青いビール「流氷DRAFT」

網走では十年以上ぶりに旧知の愉快なY夫妻の家を訪れ、二泊し、すっかり厄介になった。夜には青いビール「流氷DRAFT」で乾杯し、北海シマエビなどに舌鼓を打った。朝には白樺の木が立派に生長した英国風の野趣溢れる素敵な広い庭で採れたブルーベリーやラズ…

旅の報告11:知床峠越え

旅の三日目、レンタカーを借りてY夫妻の案内で知床峠を越え、裏摩周に向かった。途中、国道244号線沿いの「山崎菜園 じゃがいも苑」で焼きトウモロコシやじゃがスープやじゃがパンなどを衝動買いし車中で味わい、知床八景のひとつオシンコシンの滝で水しぶ…