2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

コインランドリーでソローを読む

諸般の事情により、小雨模様の朝、私はよく知らない町の狭い歩道を挟んで交通量の多い街道に面した小さなコインランドリーにひとりでいた。バラックのような粗末な作りの独立した無人の建物で、内部にはテレビはもちろん、両替機もなく、しかも決して清潔と…

港(port here, port there)

…この世のあらゆる岸辺に時々刻々と打ち上げられている漂着物であり、直感的に捉えられる何物か…私は遭難者たちの虚ろな遺骸が陸に打ち上げられているのを見た。ところが彼らの本体である霊魂は、私たち全員が、いつの日か同じように嵐と暗闇をついて航海し…

現在地(You are here):新宿綺譚

色んな偶然が必然のように重なって、Kaiさん(id:kaiowada)の案内で新宿を少し歩いた。自然光に漂泊され、厚化粧がはげ落ちたような街の素顔や裏の顔を垣間見た。歌舞伎町の端っこにビルに囲まれてひっそりと佇む鬼王神社では、女たちの泣き声と弾けるよう…

都市に張り巡らされた道が川に見えてくる。ヒトの流れも水の流れのように見えてくる。本当はどこへ向かうのか。向かいたいのか。池もある。沼もある。淀みもある。急流もあり、渦巻く箇所もある。滝もある。地下水もある。建物は急峻な岩に見えてくる。巨大…

街の花

一瞥

カヤツリグサ(蚊帳吊草, Amur cyperus, Cyperus microiria)? コブシ(辛夷, Kobushi magnolia, Magnolia kobus)

雨の日街中では通行人の頭の上でカラフルなたくさんの花が咲く。ベタすぎるなあ、、。

痛々しい姿の大木が目に飛び込んできた。思わず近寄って、手を触れ、見上げ、話しかけた。

神はなだらかな流域にその川をおいた。 この川は場所によって、大地に吸収され、 あるいは海へと達する。そしてゆったりとした大洋の 平原に受け入れられ、流域ではなく、今度は海辺を打つ。 オウィディウス『変身物語』1章39

ジョナス・メカスの日記映画、ポリティクス、そして汎神論

Film and Film and Film: An Interview with Jonas Mekas すでに「千夜一夜」企画の観点からだけ言及した、 Bright Lights Film Journal の2009年11月号に掲載された上のインタビューは、昨年9月にパリのRe: Voirから150頁の冊子付きのDVD版、Walden - Diar…

道井さんではなく、小森さんだった!

ツツジ(躑躅, Azalea, Rhododendron)の仲間。未詳。 エゾノコリンゴ(蝦夷小林檎, Manchurian Crab, Malus baccata var. mandshurica) 道井さんではなく、小森さんだった! 川沿のエジソンこと、小森さんは、今朝は庭の紅梅の木と見事に共存する特製棚の…

風の悪戯、Oh, Snowman!

エゾヤマザクラ(蝦夷山桜, Sargent's cherry, Prunus sargentii) サクランボ、セイヨウミザクラ(西洋実桜, Wild cherry, Prunus avium) Oh, Snowman!

地霊と言霊、地図と辞典、ソローと松浦武四郎

asin:4061591339 本書はソロー(Henry David Thoreau, 1817–1862)がメイン州の森林地帯の奥地を三回(1846, 1853, 1857)にわたって従弟や友人と旅しながら、野生(自然)と野蛮(文明)との違い、自然と人間との関わりのあるべき姿、などに関する思索を深…

ジョナス・メカスの千夜一夜(Jonas Mekas' 1,001 Nights)

Jonas Mekas' Personal Website 数日前に、ジョナス・メカスの新サイトの顔が上のように変った。日記(Diary)がホームに設定されているのに変わりはないが、その日記に最初の映像日記であるトランペットで「再開の狼煙」を上げるメカスの映像が改めて置かれ…

帽子が突風に飛ばされた朝

天気に良い悪いはない。どんな天気もそれぞれに味わい深い。そんなことを身を以て教えてくれたのはジョナス・メカスだったか。雨の日は雨に濡れなければ、雨の日のいい写真なんか撮れっこない。そう教えてくれたのは藤原新也だったか。雪のなかでは心を雪よ…

ジョナス・メカスに対する26の質問に私が答えてみた

Jonas Mekas Interview (via Brain) 昨年パリでジョナス・メカスが浴びせられた26の穿(うが)った質問を翻訳してみました。メカスの回答は上のリンク先を参照してください。ここでは、私が反射的に回答してみました。 01あなたは誰? 三上です(最低、、) …

君の名は

帆足さんと立ち話する。まるでホントにスキーをしているように、両手に持ったストックをこんこんと軽く突きながら、颯爽と歩いていた。talking with Mr. Hoashi, 83sec. シラカバ(白樺, Japanese White Birch, Betula platyphylla var. japonica) 未詳 煙…

ルチア・ドルゴスツェウスキ1998年1月

Jonas Mekas' Diary, March 18 プリペアド・ピアノ(prepared piano)曲の驚くべき一例。今は亡き、想像力溢れるポーランド系アメリカ人の作曲家ルチア・ドルゴスツェウスキ(Lucia Długoszewski, June 16, 1931 – April 11, 2000)の最後の演奏のひとつ。曲…

矛盾した祈り、苅谷さん語る1

contradictory prayer Mr. Kariya Talking

プレリュード

「時の流れの中にさえも、その流れによって時が自らを回復する何かがある」(ソロー) ‘There is something even in the lapse of time by which time recovers itself.’ サフラン公園の奥にある東屋で苅谷さんとおしゃべりする。話題は自然と過ぎ去った昔に…

オルフェウスのように like Orpheus

昨夜久しぶりにフルートを吹いた。ところが、まともに音も出せなくなっていてちょっとショックだった。しかし、ソローさんの次のような言葉にいたく励まされた。 asin:4880593540 本書は最近出た初の日本語全訳です。立派な本です。 オルフェウスは自分の竪…

屋根のない本、棚に置いておくわけにはいかない本

asin:4880593540 本書はソローの処女作の初の日本語全訳です。44歳で亡くなるまでにソローが出版した本は、この『コンコード川とメリマック川の一週間』(1849年5月刊、以下『一週間』と短く呼びます)とあの有名な『ウォールデン−森の生活』(1854年8月刊)…

雪の上の黒い粉

藻岩山に登っているように見えた電気工事の作業員 ソウハチガレイ(宗八鰈, Pointhead flounder, Cleishenes pinetorum)の一夜干し。美味そうだなあ。 苅谷さんとばったり出会って、立ち話する。「苅谷さん、歳、聞いていい?」「ああ、8月で78だ」「や…

A FEW SONGS I WANT TO SHARE WITH YOU, MY FRIENDS

Kaiさん(id:kaiowada)から、とびっきり素敵なメールが届いた。度を越している(Extra-vagant)! プリントアウトしたら5枚になった。わっはっは! <歌>のことが書かれていた。いまだかつて歌われたことのない歌、歌われなければいけない歌に辿り着いた…

私があなたと分かち合いたい二、三の事柄

ジョナス・メカスの新サイト jonasmekasfilms.comでは、昨年の初夏にパリのアニエス・ベーのギャラリーで開催された彼の「私があなたたち、パリの友人たちと分かち合いたい二、三の事柄」展("A Few Things I Want to Share with You, My Paris Friends," ag…

ハクモクレンの細長い枝

エゾノコリンゴ(蝦夷小林檎, Manchurian Crab, Malus baccata var. mandshurica)のツララ トチノキ(栃の木, Japanese horse chestnut, Aesculus turbinata)の芽 フク(福)、8歳。 たんぽぽ公園のアイスキャンドルは融けて小さくなっていた。位置が少し…

オーストラリア帰りの青年

厚別川 モヨウフグ(Arothron stellatus) イトウ(Hucho perryi)? 未詳。 不思議な符合もあるもので、今朝散歩で拾ったハクモクレンの長い枝を釣り竿に見立てた話を書いた。午後から人を迎えに新千歳空港に行くと、そこには「大物」がいるではないか。し…

釣り Fishing

Michael Kenna, Single Boat, Backwater, Kerala, India. 2008 ハクモクレンの枝の釣り竿

Rocca

Rocca Spiele Rocca Spiele(ロッカ・シュピール)というゲームブランドをはじめたグラフィックデザイナーの柿木原政広(Masahiro Kakinokihara)さんとゲームデザイナーのトゥルーリ・オカモチェク(Trulie Okamocek)さんが、友人の音楽家フレンチコンデン…

A Beautiful Night

The Ice-candle in the snowy Tanpopo Park at a little rainy night, 6:29