2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

花布と栞紐が綺麗な本、『東京骨灰紀行』

「東京骨灰紀行」。表題に参った。思わず買った。矢幡英文氏の聖路加タワービルからの俯瞰写真もいい、装幀もいいなぁ。ついでに、花布(はなぎれ)*1と栞紐も綺麗な製本だ。内容もいい。甘粕大尉のエピソード(239頁)にはちょっとひっかかったけど、小沢信…

2010年6月2日の朝の机上

朝日新聞朝刊。合掌。 読み返していた大野一雄の世界 Kazuo Ohno's World: From Without & Within 石狩川河口から望来の丘へ2(2010年05月05日) 読みかけの三冊 死者の書・口ぶえ (岩波文庫) 物質的恍惚 (岩波文庫) 「芸能と差別」の深層―三国連太郎・沖浦…

篦大葉子、利休梅、舞鶴草

スズラン(鈴蘭, Lily of the valley, Convallaria keiskei) ヘラオオバコ(篦大葉子, Ribwort Plantain or English Plantain, Plantago lanceolata) 未詳 ナナカマド(七竃, Japanese Rowan, Sorbus commixta) エゾノコリンゴ(蝦夷の小林檎, Manchurian…

高山植物の世界

北海道の高山植物 最近、高山植物を見かける機会が増えたこともあって、そろそろ、風衝地(ふうしょうち)などの厳しい環境の中で生き延びている高山植物の世界に踏み込もうと思って本書を買った。本書はコンパクトながら約1700点の写真を駆使し、800種以上…

風と空白

『風の旅人』 40号 - FIND the ROOT 彼岸と此岸 - 二つの時間/境の旅 竹富島には行ったことがないけど、管啓次郎さんの「風の経験」の話を身近に感じる。 風には色がなく、見えるのは事物に反射する光だけ。しかし風とは空気の動きに留まるものではなく、そ…

ジョナス・メカスの宣言@クラクワ

A manifesto from Krakow (recorded by Giuseppe Zevola) しばらく音沙汰なしだなと思っていたら、ジョナス・メカスはかつてのポーランド王国の首都クラクワにいた。メカスは50周年を迎えたクラクワ映画祭で「金龍賞(the Dragon of Dragons award)」を受賞…

朝鮮五味子、矢車菊、山吹、浜簪、瓢箪木、蓮華躑躅

シロミミナグサ(白耳菜草、Snow-in-summer, Cerastium tomentosum) チョウセンゴミシ(朝鮮五味子, Schisandra chinensis) ノムラカエデ(野村楓, Acer palmatum v. sanguineum Nakai) クルメツツジ(久留米躑躅, Kurume Azaleas, Rhododendron Kurume G…

消え行く旋律に耳を澄ますジェラルド・グローマー

宮成照子編『瞽女の記憶』(桂書房、1998年) 宮成照子とジェラルド・グローマー(Gerald Groemer) 前書(『越中瞽女と母の在世ご利益』を指す)を世に出したことでたくさんの方とまた新たに出会うことができました。今度の本の中に転載を許していただいた…

反復と原郷、春駒の唄

旅芸人のフォークロア―門付芸「春駒」に日本文化の体系を読みとる (人間選書) 群馬県利根郡川場村門前に「春駒」が残っている。「村の青年団が中心になってこの春駒を伝承し、自分たちで百十一戸ある村のすべての家を門付して回っている」(7頁)という。し…

菱さんとの会話

無防備なことに、写真を撮ろうとして道端でしゃがみ込んだり、木や空を見上げていることが多いせいか、何かいるんですか? とか、何か撮れまして? などと背後からよく声をかけられる。場所が場所なら、とっくに命を落としているだろう。昨日はあるお婆さん…