2011-09-29から1日間の記事一覧

解体現場

帰宅途中、見慣れた一角の解体現場の防塵ネットを透かして瓦礫の山と二台のいわゆるショベルカー(油圧ショベル)の影が見えた。作業の動きは見えない。作業の音も聞こえない。ネットの張られていない面に回り込んだ。すでに作業員の姿はなかった。二台のシ…

仮初めの住み処、懐かしい人生

asin:4062136961 清岡卓行は八十三歳の死の年に自分の記憶のなかの断片の情景について次のように書いた。 長い場合には数十年、短い場合でも数年、私の記憶のなかに断片のままぽつんと孤立をつづけ、ほんのときたま、まったく不意に意識の表面に、それもなぜ…