ブログ

ひかりと希望

じゃこしか爺さんが、「飛躍」を断った上で、劣悪な環境にもめげずに光を求めて逞しく生長する植物の健気な姿と、身勝手で不甲斐ない人間のひ弱さを重ねながら、大きな何かを静かに訴えていた。 「ひかり求めて」(『昭和ひとケタ樺太生まれ』2008-08-27) …

すべて本気でどこが悪い

矛盾したことを書くようですが、たとえ離婚の憂き目にあったとしても、私はブログを止めないでしょう。だって、ブログに恋してるんですから。好きという気持ちを誤摩化すのはよくない。浮気なんて言葉におびえるのもイケてない。すべては本気でしょ。何かを…

「めくるめく子供時代の夏」の私

もう二年くらいになるだろうか。ブログ経験でも人生経験でも大先輩の敬愛する南無さんのところで、じゃこしか爺さんの存在をはじめて知って驚いたのは。私の亡父と同世代で、しかも同じように樺太から引き揚げてこられた方だった。じゃこしか爺さんの「思い…

エクリチュールの挑戦

『平民新聞』の平民金子さん(id:heimin)にはいつも度肝を抜かれる。 「全国眉毛王選手権を開催します」(2008-07-08) 「モナ」(2008-07-12) ここまでやるか、といつも感心する。いや、本当は、こういう物言いでは、彼のエクリチュールの強度をちゃんと…

異邦の身体

異邦の身体作者: アルフォンソ・リンギス,松本潤一郎,笹田恭史,杉本隆久出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/08/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (11件) を見る 「個人」を身体の最も深いところで捉まえたい、そして…

私の星地図

ブログを介して知り合った人たちが住む場所を、気が向いたら我流の地図の上にマッピングしている(場所が違うとか、漏れている人がいたら知らせてね)。最近だけでどんどん増えて行く。色んなことを思う。想像する。このなかの何人かがわざわざ本当に夏の札…

コミュニケーション・チャンス

もちろん明らかにそれと分かるような言葉や記号のやりとりだけがコミュニケーションではありません。それはブログ上に限った話ではありませんが。誰にどう届くか分からない言葉、当人が明確なメッセージを籠めたわけではないかもしれない言葉が、例えば私に…

思いと言葉の間で遊べますか

自分が直面している現実とそれに対する思い、そしてそれらと言葉との間には、いつも距離がある。深淵がある、と言ってもいいかもしれない。でも、だからと言って、そのことを嘆く言葉を発することは、その距離や深淵を曖昧にすることになりかねない。甘えち…

直截に語ることの落とし穴

理解されることのみならず、読まれることさえ当たり前とは思わずに、孤独に差し出される文章。何ごとかを伝えたい人にそれをどう語ったとしても、所詮は巧くは伝わらないかもしれないということまで考えながら、畢竟他人である相手との間の隔たりの大きさ、…

人生交歓

「千葉にも来てよ」のナルちゃんの呼びかけに、全国から職業も年齢も住む場所もばらばらの26人が集まった。正式名称「千葉シュポシュポ」に参加した人たちの感想を記したエントリーに目を通しただけでも、その楽しさが生き生きと伝わって来る。 「シュポ顛末…

Alternative File Formats for Storing Master Images of Digitisation Projects

私が熱に浮かされている間に、id:simpleAさんが主導する画期的な翻訳プロジェクトが始動していた。日本が致命的、絶望的に立ち後れてしまった書籍電子化、その世界的動向の一端を知るための必読文献ともいうべき論文、オランダのハーグにある王立図書館が行…

夜になるまえに

山崎さんが、死という究極の「別れ」を念頭に、日々積み重ねられてゆく小さな別れの重みについて書いている。必ずやってくる「別れ」までの時間を一刻も無駄にせず有意義に過ごすべし、と。 「やってくるものなのだが」(『Fere libenter homines id quod vo…

勇気が根を下ろす場所

中山さんが「勇気」を奮っている。 告:『シュンポシオン横浜』、12月開催です Emmausさんが「勇気」をめぐって書いている。ちょっと難しいけど。 「風に靡かせながら」(2008-05-18) 小野さんが中山さんの「勇気」が根を下ろす「場所」をめぐっていいこと…

乾杯!!!

リアル横浜逍遥亭にお集りの皆さん、飲んでる?サッポロよりアイをこめて、カンパーイ!(サッポロ・ビールがあれば、もっと決まったんだけど...)楽しんでね(^^)

ドイツの小林さん

私が勝手に欧文書体の「師匠」と呼んでいる人がいる。小林章さん。現在ドイツでご家族と生活をともにしながら、書体設計、フォント・デザインの仕事に励んでおられる。その生活と仕事の一端に触れることができるのはブログのお陰である。 小林章のドイツ日記…

祝・第1回京都会議開催&大分会議開催

やっとるでー ホシに曳かれて・・・行ってきます 京都会議は終わった・・・ ブログが縁の人のつながりが新たな段階を迎えている。従来のいわゆる「オフ会」とは明らかに一線を画す「オンかつオフ」のつながりの連鎖が加速している。それぞれに色々な人生を抱…

誰に言葉を

読みのがしていた。 誰に言葉を(「平民新聞」2007-10-15) ふと、自分が今、書いている言葉は、ヨシ子ちゃんには届かない、ぜったいに届かない、と思った。ぼくは誰に言葉を届けたいんだろう、そう思い、目を閉じた。それでも部屋はまぶしかった。

転換点

文章、写真ともに何ともいえない魅力を感じさせる『平民新聞』。私から見れば当然と思われる展開が報告されていた。 『鉄のバイエル』未収録写真と、ひとつの宣言(2008-03-12) 案の定、heiminさんの写真に心動かされたある編集者が数多のプロの写真家をさ…

世界とは何か

「世界」って、存在するものじゃなくて、その都度、つかの間に生成するものだと思う。その人が色んな事情で今生きているその場所でできるだけ多くのものに心を向けて、働きかけることによって「立ち上がる」のが「世界」だと思う。色んな人のブログを巡って…

権力と自由

若い二人のブロガーの一見かけ離れたように見える言葉がひっかかった。 「政治的であることなのか」(『takuo.. .』2008/01/23) 個人の政治性をウェブとしてどう全体化し形成出来るのか、そんなテーマで考えていこうと思います。 「五年後の目くばせ」(『…

野生のフォークソノミー、ジョナス・メカス365日映画の軌跡

年末から二本の論文の執筆に追われている。一つは明後日が締め切りで、もう一つは18日が締め切り。明後日締め切りの論文は先ほどなんとか完成のメドがたった。タイトルは「野生のフォークソノミー------検索可能世界の意味」、要するにフォークソノミーを大…

過去は刺激的だ2:Folksonomy is bricolage

前エントリーの続きを少しだけ書いておきたい。「生前」からすでに半ば伝説的存在だったbookscanner記のエントリーに大きな刺激を受けて書いたエントリーがかなりある。ちなみに、bookscanner記は梅田望夫著『ウェブ時代をゆく』でも取り上げられ絶賛された…

過去は刺激的だ

(大判→ Mt. Moiwa, January 6th, 2008) こうしてほぼ毎日ブログに考えたことや感じたことを書き綴ったり、flickrに写真をYouTubeにビデオをアップしたりすることは、美崎薫さんに倣って言えば*1、自分の人生をデジタル・アーカイブ化する試みの一環である…

コミュニケーションの「裏道」

人目には触れ難いハッとするようなメッセージを送ってくださる方がいる。Emmausさん(id:Emmaus)は私がエントリーに掲載したある写真に星とコメントを付けてくださった。私はHatena::Fotolifeを公開しているので、だれでもこのメッセージを知ることはできる…

賀春 2008年元旦

今年もよろしくお願いします みなさん、よいお年を シラカバ(白樺, Japanese White Birch, Betula platyphylla var. japonica)の樹皮。

HASTA LA VISTA!, again...

今年は自分に課した二つの課題をなんとかほぼやり遂げたことが良かったと思っています。1朝の散歩を毎日365日記録し続けること 2ジョナス・メカスの「365日映画」を毎日365日紹介し続けることそして、途中からビデオと写真の二つのプロジェクトを開始した…

ブログで何ができて、ブログから何が始まるか

こうしてブログを続けている一番大きな理由は、ブログで何ができて、ブログから何が始まるかに関心があるからだということに今更ながらはっきりと気づいた。金城さんの「合同会社simple A」の法人登記完了を知った矢先に、「翻訳」関連の情報源から「合同会…

くまさんの「ウェブ開拓論」と「ブロガーおくのほそ道」

以前、梅田望夫さんの「ウェブ時代をゆく」のメッセージを受けて、それまでご自身が精魂込めて書き続けてきたブログの意義と展望を「ウェブ開拓論」と捉え返した通称くまさんが、今度は、ネット世界とリアル世界をつなぐ「ブロガーおくのほそ道」という魅力…

対話の根源的な作法をめぐって

一昨日投じたエントリー「体と地球」に対して、takuoこと若い友人の平岡さんが、対話の根源的な作法の観点から、鋭い批判を投げかけてくれた。 「語られ得ない事を見る強さ」 嬉しかった。それに対して私もすぐにコメントを返した。そのやり取りのなかで、私…

誰でもいい、耳を傾けてくれる人がどこかにいる

先日、関東在住のブロガーの方が訪ねてくださって、一晩色々と語り合った。もちろん、実際に会うのは初めてだった。しかしそれまでのブログを介してのコミュニケーションですでに大きな信頼関係が出来上がっていた。これは体験してみなければ分からないこと…