絵本

Erika-San

Erika-San アレン・セイの最新の絵本 Erika-San(2009)は、それまでの絵本とは視点を180度転換して、日系人ではない、アメリカ人の女性が、幼い頃おばあさんの家で見た日本の田舎の家の写真に深く魅せられて以来、日本に興味を持ち、日本語を勉強し続け、大…

Stranger in the Mirror

Stranger in the Mirror アレン・セイの絵本はすべて「家族」の本質を問わずにはいられない彼の自伝的な要素に彩られていると感じる。それにしても、Stranger in the Mirror(1995年)は強烈な印象を残す絵本である。絵本という形をとっているが、それはわれ…

Tea with Milk

Tea with Milk (Rise and Shine)作者: Allen Say出版社/メーカー: HMH Books for Young Readers発売日: 2009/05/04メディア: ペーパーバック クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 後から失うものと初めから失われているものとの間にはどんな関係…

He is my favorite father.

どんな書物も書き手にとっては広い意味で、いや本質的に「日記」かつ「手紙」のようなものだという考えに取り憑かれている私にとって、それが誰に捧げられているかは特に気になるところだ。内容的に見てとれる相手と献辞に現れる相手とは同じとは限らない。…

Music for Alice

アレン・セイはあるインタビュー(http://www.eduplace.com/kids/tnc/mtai/say.html)のなかで次のような信念を表明している。 Most people seem to be interested in turning their dreams into reality. Then there are those who turn reality into dream…

熱に浮かされて

A River Dream作者: Allen Say出版社/メーカー: HMH Books for Young Readers発売日: 1993/03/29メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (12件) を見る 本は無理でも絵本なら、と枕元にはアレン・セイの絵本を積み重ねて寝ていた。蒲団…

Just passing by...

The Sign Painterアレン・セイは、Grandfather's Journey のカルデコット賞受賞式の挨拶のなかで、夢と現実の関係について興味深いことを語った。少なくとも彼自身にとって大切なことは、夢と現実を分けることではないという。僕らは何かを捨て、何かを選び…

紙芝居はサスペンスである

Kamishibai Man この絵本は、たんに紙芝居についてのノスタルジックな物語ではなく、それじたいが紙芝居を模倣することによって、紙芝居に永遠のオマージュを捧げる作品である。まえがきの中で、アレン・セイは子供時代の紙芝居(kamishibai, "paper theater…

Home of the Brave

Home of the Brave 第二次世界大戦中、合衆国では十二万人以上の日系アメリカ人が西部の六州の十の収容所に抑留された。この絵本は、当時ある収容所で撮られた二人の少女の写真に触発されてアレン・セイが創作したものである。彼は本書のあとがきで、合衆国…

Grandfather's Journey

Grandfather's Journey (CALDECOTT MEDAL BOOK) ある英語の絵本(写真上)を同僚の山内さん(数学寺子屋主催者)が薦めてくれた。この絵本のことはまったく知らなかった。私のつたない道北紀行を読んだ山内さんは、その底に流れているかつてサハリンで暮らし…