『ウェブ進化論』読む2:グーグルの凄さ

受講生の皆さん、こんにちは。

今回は
1)グーグルの「書籍検索サービス」の凄さと「ウィキペディア」を概説してから、
2)資料「『ウェブ進化論』読む2」を使ってやっとグーグルの実体を解説しました。

ネットの「こちら側」と「あちら側」の違い、グーグル社が「あちら側」に自製した「情報発電所」のハード面とソフト面の実態、旧来のコンピュータ・メーカーとの根本的な違い、アドセンスに見られる画期的な広告収入再配分システムのからくり、徹底的な情報共有主義に貫かれた組織マネジメント、「リンクという民意」にだけ依存して知を再編成する検索エンジンの思想と技術、人間を介在させない自動化の思想等、どれ一つとっても大変興味深い問題を孕んだテーマでしたでしょう。グーグルってあの検索エンジンやってる会社でしょ、という素朴な通念は崩れ去り、これはかなり凄いし、怖いという感想を持った人もいたようです。初めは「世界中の情報を整理しつくす」とか「世界政府に必要なシステムをすべて開発する」という大げさにしか聞こえなかった言葉が俄然現実味を帯びて来たと思います。しかし、そんなグーグルを根本的に支えているのは前回学んだ情報技術の三大潮流(インターネットの普及、チープ革命オープンソース)すべてを最大限活用した開発技術であり、またさらにその背景にある思想です。すなわち、未だ十分開花していないインターネットそのものの持つ可能性を現実世界の矛盾や格差や問題を解消するような方向に向かって展開することです。そこがどちらかといえばインターネットの力を制限するような使い方しかしてこなかった他の企業との根本的な違いでもあります。例えば、国によってはアドセンスに登録することによって現実世界の経済的格差を是正するような方向で収益をあげることができるようになるとか、電子メールを「こちら側」に置かずに、Gメールのように「あちら側」に置くことによって、電子メールの利用に関わる「情報倫理」問題の大半が解消するということが起こるわけです。なお、メディア企業としてのヤフーと決定的に異質なグーグルの「人間を介在させない自動化」というテクノロジーの思想に関しては、後に再び回帰して論じる予定です。

次回はweb2.0の動向全体に視野を広げ、まずは「ロングテール現象」の意味をアマゾン・コムの実体と併せて見て行きます。