『ウェブ進化論』を読む4:ブログと総表現社会

受講生の皆さん、こんにちは。

今回は
1)改正著作権法(2004.1.1施行)を巡る「映画53年問題」にふれ、企業間の利害の対立が法律の解釈上の対立となって表面化していること、そしてそもそも映画だけを保護期間70年に延長した改正法自体の本質的問題について学びました。

2)マイクロソフトCEOのバルマー氏のインタビュー記事(朝日2006.5.25)を材料に、前々回学んだマイクロソフトVSグーグルの構図を復習しました。バルマー氏が未だに「パソコン事業/ネット事業」という二分法的発想に捕われていることが分かったと思います。グーグルはマイクロソフトとは全く違う水準、土俵で「パソコン」と「ネット」のあり方を根本から変えようとしていることを再確認しておいてください。

3)「『ウェブ進化論』を読む4:ブログと総表現社会」を詳しく解説しました。三上研究室 > 情報倫理 > 「ブログと総表現社会:2006/05.31」にも書きましたが、ブログもまた、他のWeb 2.0サービスと同様、そのあまりの敷居の低さと手軽さの印象によって、本当の「凄さ」が見えにくいものです。その凄さを社会的な変革力につながる面と個人にとっての最強といってもいい「知的生産の道具」にもなりうる面を中心に学びました。ブログのサービスとしての特徴とそれを支えるテクノロジー、ブログ利用者の爆発的増加の背景にあるネット社会の構造変化、今後の技術的発展(「自動秩序形成システム」の実現)によってもたらされる世界の有り様の展望まで含めて、ブログに関する、現時点で最も見通しのよい知識が得られたと思います。梅田氏の言う「総表現社会チープ革命×検索エンジン×自動秩序形成システム」という方程式をお題にして、例えばブログのことを全く知らない家族に、ブログの凄さをちゃんと説明できるように、知識を整理しておいてください。