私にとって「食の道」の師匠である『親父の口福論』のjimihen-2さんが三泊四日の上海旅行から戻られて、上海点描シリーズのようないつもの写真と通底する味のある写真をご披露なさっている。感心。
2006年08月19日「上海そぞろ歩き NO. 1」http://jimihen2.exblog.jp/4150831/
写真に添えられた、何気ないように見える短い言葉は、俳句のように、私たちが生きる世界のリアルな断片を不思議な軽さで捉えていて、とても魅力的だ。
ところで、タイトルにある「そぞろ」という言葉がフト気になって、大辞林を引いてみた。漢字では「漫遊」の「漫(ろ)」をあてるようだ。意味としては、「これという理由もなく、自然にそうなるさま」、「偶然であるさま」、「これという理由もなく、ある感情や心理がわき起こるさま」などが目に留まった。あれれ、これは正にセレンディピティserendipityではないか。「そぞろ歩き」とは「偶然の幸運に出会う能力」(茂木さん)を活性化する歩行なのだ。吉増剛造さんの歩行、そして芭蕉さんの旅にも繋がる道がそこにある。