白雪姫に会った!

カメラを右手に持ち、朝の散歩に出かけるようになった私は、明らかに、今まで慣れ親しんできた世界を以前とは違った風に感受するようになった。大げさに響くかもしれないが、毎日、何かに出会えるようなかすかな予感をおぼえるようにもなった。特に強く意図することはないのだが、見る物、見方が俄然変化した。昨日見たものが今日見るとまた違う。変化している。そんな当たり前の時間の経過、自然のリズムに伴うモノたちの変化に目を奪われるようになった。ここ数日はカメラを持つ右手がかじかむほど朝は寒い札幌。昨日は初氷も市内のどこかで見られたらしい。最低気温0.7℃。

散歩の連れの風太郎は、私がたびたび撮影のために立ち止まるので、迷惑顔だ。彼は私には伺い知れない嗅覚世界を生きていて、彼にとっての好ましいスポットは、私には見えない。私が見つけるスポットは彼には興味はない。で、撮影しようと立ち止まっていると、いきなり引っ張られることも多く、見事にブレタ写真が少なくない。それもまた面白い。

今朝は実はなんと「白雪姫」に出会ってしまった。幼稚園児の頃、自転車で売りに来る豆腐屋さんにびっくりしたことを思い出した。自転車に乗って町内にやってくる紙芝居のおっちゃんのことまで思い出した。演目は黄金バットだった。どきどきしながら近所の子たちと車座になって見つめていたような気がする。素敵な未知の何かはいつも自転車に乗ってやってくる。美崎さんの「知的な自転車」というイメージが浮かぶ。小学生の頃は祖母のいいつけでよく近所の豆腐屋さんに豆腐を買いに行ったことも思い出した。

豆腐屋さんと言えば、あのメロディー、何て言ったっけ。思い出せない。チャルメラはラーメン屋さんだし。その白雪姫はあのメロディーを口ずさみながら、なぜか藻岩神社の境内に入って行った。神社から注文があったのだろうか。それもまた面白い。