スズメはあなどれない

札幌、ハレ。雲多し。暖かい。藻岩山に向かう裏道にアスファルトが「通じた」。

散歩の往きに見かけたスズメは二羽。ともに頬に黒い斑のあるスズメTree Sparrow)。ニュウナイスズメ(Cinnamon Sparrow)ではなかった。もちろん、問題のイエスズメ(House Sparrow)ではない。原生林はヒヨドリの声も聞こえず静かだった。野鳥はいないな、と思った矢先に、小さなシルエットが動いた。36倍ズームでとりあえず撮った。

写真判定の結果、サイズ、体型、そして腹の赤茶色からヤマガラ(山雀、Varied Tit)と同定する。

餌台第六号。

餌台第七号。

藻岩山のスキー場ゲレンデ上を黒い物体が動いていた。36倍ズームで撮影した。雪を均す雪上車だった。

坂道を、「下の土地」に下りる途中、野鳥がいないかどうか、自然の崖にまばらに残る原生林を横から覗いた。皆無。

下の土地に降り、藻岩山を左手に仰ぐと、低層横長のマンションが、ちょうど崖をうまく利用して見晴らしよく建てられていることに気づいた。手前のビニールハウスのある一帯は花園で、直売もしている。

旧国道に出たところで、ランドスケープサウンドスケープも一変する。車の走行音とガソリンスタンドから流れ出る民放ラジオの音声。マインドスケープもささくれ立つような気がする。

旧国道から裏道を抜け、明るい陽射しを浴びた「路地階段」を上り、静かな「上の土地」に戻る。



まだ根雪が厚く残るサフラン公園の中を通り抜ける。出口あたりにゴミが散乱していた。

予想外にスズメを見ない。地鳴きは聞こえるもトウヒなどの落葉しない樹の中に身を隠すようにしている場合が多い。一箇所、ある家の前に沢山の、十羽以上のスズメが集っている桜の木があった。近付いて立ち止まると、一斉に場所を移動した。数秒じいっと観察して、さあ写真を撮ろうと思った瞬間に、その気配を感じ取ったのか、一斉に飛び立った。こちらの動きをかなり注意深く見ていて、警戒心はかなり強いことが分かった。そこにいたスズメはみなスズメTree Sparrow)だった。