"Paris, May '68" on Bedford Avenue:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、5月、127日目。


Day 127: Jonas Mekas
Monday May 7th, 2007
6 min. 24 sec.

Bedford Avenue,
Williamsburg,
Brooklyn --suddenly
turns into Paris,
May '68
--

ブルックリン、
ウィリアムズバーグ
ベッドフォード・アヴェニューが --突然
68年5月の
パリ(五月革命)
に変わる --

メカスは、古ぼけたレストランの中にいる。傷んだテーブルの上に白ワインの入ったグラスと紙くずだけが写る。フランス語のニュースっぽい古びた音声が流れている。カメラはワイングラスにクローズアップする。グラスの中のワインが次第に波打つ。

ベッドフォード通りで、学生の一団が数人の警官と争っている。警官に扮しているのも学生だ。通りを占拠して行進する大勢の姿がちらっと写る。メーデーのデモ行進のようだ。それに参加しつつ、Paris, May '68(パリ五月革命)を想起するパフォーマンスを繰り広げたのだろう。フランスパンをかじりながら「警官との闘争」に参加している女子学生もいる。

白いクリームのケーキ攻撃を受けたという頭から背中にかけて白くなった女子学生と二本の赤い旗をもつ女子学生に話しかけるメカス。二人とも楽しそうだ。

***

パリ五月革命*1が日本の全共闘に飛び火した後の、69年の東大安田講堂事件を小学5年生だった私はテレビのニュース報道で見ていた微かな記憶がある。が、そのとき何を思ったかは覚えていない。不本意な転校を間近に控えて、両親と揉めていたことは覚えている。父親の仕事の都合で、転校しなければならないことが納得できなかったようだ。友人たちと別れるのが辛かったのだろう。頑として転校を承知しなかった私に業を煮やした父は担任教師に説得を依頼し、結局私は説得させられたらしい。その説得の経緯に関しては全く記憶がない。小学5年生、11歳のとき、私は世間というか大人の社会のある種の理不尽さを飲み込んで屈折したような気がする。その後、転校した先の町で中学2年生になった私は1972年のあさま山荘事件をテレビ中継で見た。その衝撃の意味をちゃんと教えてくれる大人は周囲にはいなかった。その年札幌を中心に開催された冬期オリンピックの方に関心は奪われていった。

*1:YouTube- フランス パリ 五月革命 - 1968五月革命の発端から世界各地への伝播まで要領よく紹介している。Google Video - Manifestation étudiante de Mai 68では、68年当時のパリの映像が見られる。