Nick Drake survives through his music:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、6月、172日目。


Day 172: Jonas Mekas
Wednesday June 21st, 2007
3 min. 26 sec.

This one is for
Nick Drake.
Music: HORN,
by Drake.

ニック・ドレイク

捧げる。
音楽

ドレイク

HORN。

生い茂る何本ものバラの木のすぐ下を
木漏れ日のなか
咲き乱れる赤いバラの花に
一輪一輪触れるように
メカスは
ゆっくりと移動する

ニック・ドレイク(Nick Drake, 1948-1974)
の遺作Pink Moon(1971)
5曲目
"HORN"、
1分23秒の
極度に希薄で裸の
音色
アコースティック・ギター
ソロ演奏が二度くり返される

人生の岬の先端に立って
「未来」に向かって吹かれた角笛のようにも聴こえる

26歳で自ら生命を断ったドレイクの魂は
でも
こうして音楽として生き延びて
メカスを経由して
思いがけず
私に届いた
といえるかもしれない

***

アルバム・タイトル曲"Pink Moon"はフォルクス・ワーゲン(VW)のコマーシャルで使用されたことでも知られる。YouTubeにはそれも含めてニック・ドレイクのビデオがたくさんアップされていて、そのやはりオフビートで希薄な歌声に触れることができる。なかでも、デビュー・アルバム"Five Leaves Left"(1969)の2曲目に収録されたRiver Man(04:27)が気に入った。歌詞(lyrics)はこちら

今日の赤いバラは、6月18日のブルース・ベイリー(Bruce Baillie)に捧げた薄いピンクのバラが咲いている同じ敷地内のような気がした。そうだとすれば、ブルックリンのウィリアムズバーグのゼブロンの近くである。