At Raimund Abraham's house:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、6月、175日目。


Day 175: Jonas Mekas
Sunday June 24th, 2007
10 min. 45 sec.

Another episode
of my ongoing
sit-pod series--
an afternoon stop
at a friend; Raimund
serves food for
body and mind ---

私の目下進行中のシリーズの
もうひとつの挿話…
ある友人の家に立ち寄った午後。
ライムントは体と心によい料理を
振る舞ってくれる。

<午後>
仕事は止め、と言いながらも、カメラを回し続けるメカス。特別なワインだ、と氷の浮かんだ白ワインの入ったグラスを掲げるメカス。見知らぬ若い女性(おそらくライムントの娘さん)が対面式のキッチンの中からメカスの相手をしている。ベンが木の床に座り込んでギターをつま弾いている。パイプ(Pip Chodorov, 1965-)が彼女と立ち話している。室内にはところ狭しと油絵が壁にかけられたり、立てかけられたりしている。油絵を描く奴は少なくなったな、とメカス。

<夜>
大きなテーブルを囲む、メカス一行(メカス、パイプ、そして見知らぬ若い男)と見知らぬ婦人二人(そのうちの一人はおそらくライムントの奥さん)。<午後>に登場した若い娘さんとベンの姿は映らない。ライムントが建築論をひとしきりぶった直後、東洋系の見知らぬ女性舞踏家が駆けつけ、メカスとの再会を喜ぶ。その後さらにワインボトル一本を土産に元気のいいフォン(Phong Bui, 1964-)が駆けつける。

テーブルに置かれた湯気の立ち昇る大きな深い鍋からライムントは客のひとりひとりに貝の蒸し料理を取り分ける。美味そうだ。ワイン蒸しだろうか。貝の種類は不明。ムール貝(Blue mussel)かな?メカスが意図的かどうか分からないが、食べ終わった貝の殻を、捨て碗用に用意された少し深めのエビが描かれた東洋系の磁器の碗に落とすと、殻と器がかち合う音が美しく響いた。「いい音だ」とメカス。すると、他の者も次々とそれを真似し始めた。ほんと、きれいな音。貝殻と磁器による合奏。ライムントがジョークを繰り出し、皆が受けた後、フォンがメカスをからかおうとして、ジョナス(メカス)はマドンナのコンサートに行ったんだ、と言い出す。え、ほんと?と他の皆は怪訝な表情。何、何?と合点の行かない様子のライムント。ジョナスはマドンナに惚れてるのさ、とフォンが追い討ちをかける。受け笑いしながら、メカスはいう。"Jonas remains Thailand !" 一同爆笑するが、何が可笑しいのか分からない。なぜ、タイなのか脈絡不明。

気の置けない仲間とのディナー・パーティーのホストをつとめる、ニューヨークの現代美術館(MoMA)やパリのポンピドー・センターの設計で知られるオーストリア出身の著名な建築家ライムント(Raimund Abraham, 1933-)は、2月14日5月11日に次いで三度目の登場。