The Mermaid Parade celebrates the sand, the sea, the salt air and the beginning of summer:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、7月、186日目。


Day 186: Jonas Mekas
Thursday July 5th, 2007
6 min. 07 sec.

the yearly
Mermaid Parade
takes place in
Coney Island

毎年恒例の
マーメイド・パレード
コニー・アイランド
開催される

6月23日土曜日午後2時、ブルックリン南部のコニー・アイランドで、今年で25周年を迎えるマーメイド・パレードは開催された。日本では余り知られていないこのパレードについて、ニューヨーク在住の料理人・向井余史子さんが、今年のパレードの模様をニューヨーク・スローライフ(abc249)で楽しく報告している。

1983年から始まったマーメイド・パレードを主催するのは、Coney Island USAという非営利組織で、Coney island Circus Sideshowもプロデュースしている。その広報によれば、マーメイド・パレードは、1903年から1954年まで続いたマルディグラMardi Gras)にオマージュを捧げるという意味をもち、コニー・アイランドならではの素敵で風変わりなイベントであり、砂、海、潮風、夏の始まり、いうまでもなくコニー・アイランドの歴史と神話、コニー・アイランドの誇り、そして芸術的な自己表現を祝福するイベントであるという。実際のパレードは、人魚姫、海神ネプチューン、様々な海の生物、灯台、等々の手作りの「自己表現」に溢れたコスチュームに身を包んだ参加者たちによって華やかに彩られる。

一見単なる海にちなんだ仮装パレードだ。しかし、通りをハイテンションで行進する奇抜なコスチュームの老若男女の参加者たちの様子が映っている間も、潮騒と潮風の音がずっと聞こえる。そしてパレードを終えた参加者たちは、子どもたちはもちろん、大人たちも海辺でそれぞれに砂や風や海水と本気に戯れている。海にちなんだ仮装は海の自然と深くコミュニケートするためのツールなのかもしれない。

参加者たちの幸福そうな表情や仕草の断片、そして足元の砂、濁った海水、空を飛ぶカモメなんかが断片的に映る。人々の歓喜の声が波の音と混じり合う。

突然、人々の声が遠くなり、カメラの内蔵マイクは潮風の音を大きく拾い始める。砂浜をどこかへ向かって歩き始めるメカス。カメラは足元の人の足跡だらけの砂浜だけを取り続ける。再び人声が大きく聞こえ始め、どこからかラテン系の音楽も聞こえ始めた。