空の川面に地上のユリの色が映る


空の川は見ていて飽きることがない。この川は見えないところも流れている。そしてつながっている。たとえば、アマゾンのジャングルに姿を消したメチキチレ族の頭上の空にも。


空を見上げてばかりいたせいか、見下ろすと、毎朝見ていて見飽きたはずのユリの花が新鮮に見えた。思わず花弁に指を触れてみた。意外にもとても柔らかかった。

原生林のオオウバユリ(大姥百合)シリーズ。

春にはさんざん花を撮りまくったハクモクレン(白木蓮)の木が空に向かって若い枝を伸ばし若葉を繁らせている。

こちらはシモクレン(紫木蓮)。やや小ぶり。

トウモロコシ畑の直売所では、私の好きなズッキーニが出荷していた。スーパーよりも安い。アメリカで一人暮らししていたとき、毎日のように食べていつの間にか好きになったやつだ。

北の方から、おそらく丘珠空港から飛び立った小型旅客機が、無音で近づいてきて、南方へ飛び去った。上空の風向きのせいか、近くに来るまで空気を張り裂く爆音は全く聴こえなかった。空をきょろきょろ見上げていなければ、発見が遅れて、写真には撮れなかったろう。