燕、立葵、朝顔、薊、姫黄斑せせり

札幌、晴れ。空気にやや湿気が残っている。暑くなりそうだ。大気はまだ不安定で、時折突風が吹き、地表近くを風が舞う。上空の雲は表情豊かだ。方角によって特徴が違う。

この呑気な表情は北の空の雲。

対照的なこれは南方。

この複雑な流れが見えるのは北東。

これは真東。

異なる層が重なる西。

これはしばし天頂を仰いでいたら、かなり上空を飛行するツバメ(燕, Barn Swallow, Hirundo rustica)の小さな群れが見えてきたので、勘でシャッターを切ったら、下の方に一羽写っていた。

今朝の藻岩山。

道端に地面にへばりついたような恰好の極端に背の低いタチアオイ立葵, Althaea rosea)の花が咲いていた。他所で見る背の高いタチアオイの花とは大分印象が異なる。

玄関先に椅子を出して腰掛け、涼んでいた顔見知りの年配の方が、「庭を通って行きなさい」と思いがけない声をかけてくださった。一瞬、躊躇したが、お言葉に甘えた。なぜかそのとき、「かたじけない」という使ったことのない古風な言葉が頭に浮かんで、可笑しくなった。「アサガオが咲いてるよ」と後ろから声がかかった。青系とピンク系の多彩なアサガオ朝顔, Japanese morning glory, Ipomoea nil)が朝日を浴びていた。こんな模様の朝顔もあるんだ。何模様というのだろう。ちなみに「かたじけない」は漢字では「忝い・辱い」と書く。ニュアンスの違う複数の意味があるが、「(分に過ぎた処遇に対して)おそれ多い」(大辞林)がそのときの気持ちに一番近い意味だった。

隣の空き家の廃庭にまたアザミ(薊)の花の蜜を吸うヒメキマダラセセリ(姫黄斑せせり, Ochlodes ochraceus)を見かける。