明日会社あるいは学校を辞めることになったら何をする?

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

今日、梅田望夫著『ウェブ時代をゆく』(ちくま新書)が届いた。一気に読了した。私は自分をこれから社会に出る学生に置き換えて「生きるために水をのむような読書」(140頁)をした。明日の講義で話そうと思っていたことのほとんどすべてがずっと広い視野からのずっと分かりやすい現実的なアドバイス、メッセージとなって表明されていて驚いた。私たちが直面している、あるいは否応なく巻き込まれている世界の変化、あるいは変化しつつある世界をどのように把握し、そこにどういう心構えと立ち位置で臨んで、何を身につけて、これからの人生を切り拓いて行ったらいいかについて、豊富な具体例を挙げながら、またご自身の体験を曝け出しながら、非常に説得的に書かれている。特に私が重要だと思っている「お金」をどう考えるかについても「飯を食う」「生計をたてる」というまっとうな低い視点から、スモール・ビジネスの具体例(クレイグリスト:73-76頁、ジョナサン・コールトン:215-219頁)がきちんと紹介されているところは信頼の置けるところだ。「お金は、自由を得るための唯一ではないが、大きな武器のひとつだ。」(238頁)

「明日会社(あるいは学校:三上)を辞めることになったら何をする?」(106頁)と質問されて、「飯を食う」「生計を立てる」ために必要な最低限のお金を稼ぐことを大前提に何をどうするかちゃんと答えられるし、それを実践する自信もある人は読まなくてもいいかもしれない。