maybe I should do 1001 nights after 365days:365Films by Jonas Mekas

ジョナス・メカスによる365日映画、11月8日、312日目。


Day 312: Jonas Mekas
Thursday, November 8th, 2007
6:44 min.

a drink with John,
Hans Ulrich Obrist
honored,
Salmon Rushdie and
1001 nights -- and the fruits
of summer --

ジョンと一杯。
ハンス・ウルリヒ・オブリスト
サルマン・ラシュディ
千夜一夜
そして最後に
夏の収穫。

五つのシーンからなる。

(1)旧知の仲であるらしいジョン(素性不明)と赤ワインで「アート・フィルムに」と乾杯するメカス。「アートはワインの中にもあるよね」とジョンは洒落たことを言う。

ここで「翌日」という字幕が入る。

(2)ギャラリーのような部屋に少なくとも20メートルはあろうかという長さのテーブルがセッティングされ、その上に蝋燭がずらりと並べられている。燭台の脇にはこれまたずらりとグラスが並ぶ。現代美術と建築の独創的な企画で今や世界的に名を知られる美術評論家兼キュレーターのオブリストが、女性スタッフと何やら相談している。

(3)その部屋でパーティーが始まる。静まり返った会場に女性司会者の開会の挨拶の言葉が通る。メカスの隣にオブリストがややかしこまって座っている。司会者の言葉からオブリストの優れた仕事を褒め讃えるパーティーであることが分かる。

(4)パーティーは飲食と歓談の真っ最中。出席者の会話の声と食器、グラスのかち合う音が間断ない大きなノイズの流れとなって空間を満たしている。かなり騒がしい。そんな中、メカスはテーブルを挟んで向かい側に座るラシュディと大声で会話している。メカスが千夜一夜との比較で365日映画の話題を持ち出し、365という回数についてどう思おうか訊いた。すると、ラシュディーは面白いことを言い出した。東インドの言い伝えでは、切りのいい数は縁起がよくないという。100じゃなくて101、1000じゃなくて1001がいいのさ、と。

(5)自宅でカメラに向かってメカスは悩みを打ち明ける。「千夜一夜にすべきか、せざるべきか」を繰り返し、最後に「千夜一夜にすべきかも」と言ってから、急に声の調子を強めて「とにかくまずは365日だ」と締めくくる。この365日映画は、365日で終わらずに、少なくとも1001日まで続く可能性が再び浮上したが、もちろんどうなるかは分からない。

(6)日中のフレンチ・レストラン、ルシアンで、右掌にのせた葉付きのリンゴを掲げて「夏の収穫」を祝福し乾杯する。

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奇才オブリスト(Hans Ulrich Obrist, 1968-)に関するウェブ上の日本語情報には以下のようなものがある。