それはすでに起こっている

実名/匿名をめぐる議論の土俵からは遠く離れて、いわば「無名」の者たちの無名のネットワークが現実に何かを起こす。すでにその何かは起こっている。その動向の核心は後ろ向きのハートではとらえられないし、従来の分類的指標や概念でとらえることもできない。己の気持ちを前向きに少しずつでも開きながら同調させていくことでしか、その動向の意味を知ることすらできない。そんな動きが今日本で起こっている。

論理学入門という講義で教科書に使っている野矢茂樹さんが書いた『入門! 論理学』の中扉に、ある歌詞のこんな一節がさらりと引用されている。とても気に入っている。最近の私の気分にぴったりだ。

逆らってはいけない
合わさってもならない
体を左右に
軽く揺らすとよい

 井上陽水奥田民生
「手引きのようなもの」

「逆らわず、合わさらず、揺れつづける」には「体力」が要る。だから毎日「トレーニング」もしている。ひとりひとりがちゃんと「揺れつづけて」いれば、世の中も少しはよくなるかもしれないしね。