昨日紹介し損なった、内澤旬子(画)& 南陀楼綾繁(文)両氏による「けものみち計画」の一環である「文豪擬獣化宣言」の第一回目は内田百閒=フクロウである。
WASEDA bungaku FreePaper vol.010_2007_fall
けものみち計画の文豪擬獣化宣言1 内田百閒=フクロウ
この連載第1回目の冒頭に、「けものみち計画」の使命および「文豪擬獣化宣言」の崇高な目的が銘記されている。
すべての人はその内に「けもの」を秘めている。顔や体型からそのヒトにふさわしい獣種を見つけ出して「擬獣化」するのが、われわれ<けものみち計画>の使命である。誰にも頼まれていないけど。
この度、われわれは文豪の擬獣化に踏み切ることにした。偉大な作家をケダモノになぞらえるとは不遜きわまりない、というお叱りの声もあるかも知れぬ。しかし、彼らを貶めるためではなく、より親しむために、われわれはこれを行うのだ。
この真剣な遊び心は素敵だと思う。この連載を見て、読めば、内田百閒、菊池寛、大佛次郎など全く知らない今時の学生たちも、へー、面白いじゃん、と感じるに違いないと思う。そして、「けものみち計画」者たち、内澤旬子 & 南陀楼綾繁にもきっと興味を持つだろう。
ところで、内田百閒=フクロウの最終行にちょっとひっかかった。
毎日の食事は、英字のビスケットだ。
「英字のビスケット」?
横文字の本を栄養にしていたという比喩だろうが、思わず「坂ビスケット」こと「しおA字ビスケット」を連想してしまった(「しおA字ビスケットの書体は何?」参照)。
札幌市西区二十四軒にある坂栄養食品の製品「しおA字ビスケット」
一袋のなかにアルファベットの全文字が揃っているわけではない。ただし、アンパーサンド「&」はある。
ちなみに、内田百閒は「IBM拡張文字を名前に持つ有名人」の一人である。この「はてな日記」("charset=euc-jp")で「門構えに月」の「閒」を表示させるには「閒」と入力します。