ハルニレ


札幌、晴れ。気温やや上がる。青空を背景に雲が美しく見えた。

原生林のサワグルミ(沢胡桃, Japanese Wingnut, Pterocarya rhoifolia)の枝が通りに被さるように伸びてきた。葉が茂るとよい影を作る。右側には街路樹のナナカマド(七竃, Japanese Rowan, Sorbus commixta)が並ぶ。

サフラン公園のライラック(Lilac, Syringa vulgaris)がほぼ満開。近づくと香水のような香りがした。

あっ、こんなところに傘が。

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いつものように「五輪通り」(1972年札幌冬季オリンピックの開催に因んで付けられた名前)を通って帰宅途中、真駒内通りとの交差点で赤信号になる。信号待ちしている間、五輪通りに面した真駒内曙中学校(オリンピック大会運営本部が置かれた)の広いグラウンドのほぼ中央に聳えるハルニレ(春楡, Japanese Elm, Ulmus davidiana var. japonica)の大木を眺める。樹高30mくらいだろうか。樹齢300年をこえるという。眺めるだけで深く慰められる。いつかその幹に触れてみたい。何代目かの校長先生の英断で伐採を免れたと聞いた。そのハルニレの存在はとてつもなく大きいと感じる。文字通り、見上げるものがいつもそこにある。しかもそれはいつもこどもたちや先生たちを見守っている。そのハルニレの大木の下で野球やサッカーをしている中学生たちはとても小さく見える。