変身と記憶

id:yukioinoさんのところで、褄黒豹紋(ツマグロヒョウモン)の「変身」の美しい記録が見られます(6月25日の宝石を纏ったような蛹の様子から、28日、29日の羽化した後の瑞々しく美しい成虫の姿まで)。昆虫の変態、羽化にはなぜかぞくぞくします。自分に変身願望があるからというわけではないようです。ヒトもある種の変態、羽化をするのではないかとかすかに感じているからのようです。

それで思い出したことがありました。茂木健一郎著『生きて死ぬ私』(筑摩文庫)の内藤礼さんによる解説「メスグロヒョウモンの日はきみにもあったでしょう」に震撼させられ、「変身」をめぐって書いたことです。一年以上前です。

読み返すと、当時の現実感覚がいろいろと蘇ってきますが、すっかり忘れていることも多いことに驚きます。思い出したきっかけは「ツマグロヒョウモン」という名前(言葉)でした。それが「メスグロヒョウモン」につがなりました。こういう記憶=想起の回路というかネットワークが出来上がっていくのも、ブログの効用なのかもしれませんね。そういえば、中山さんが似たような経験をもとに凄いタイトルのエントリーを書いていたのを思い出しました。

話が変身から記憶へと逸れてしまったようですが、実は思い出すことによって人間はささやかにひそかに「変身」しているのだということが言いたかったようです。