露草の記憶


露草の古名「つきくさ」は、花弁に触れると青色が「付きやすい」ことに由来するらしいが、野原で遊んでいて知らず知らずのうちに手や衣服に青い染みが付いていた子供の頃の記憶が微かに蘇っていた。雑草の生い茂る家裏にも露草が目につくようになっていた。試しに、花弁を摘んでみたら、指先が青くなった。その指先で露草の記憶を留めたいと思った。ついでに花粉の黄色も添えた。