サナギ


今朝はまずUさんに、それからサフランクラブの面々に強く励まされた風太郎。


ああ、何の蛹(さなぎ)だろう? サナギって本当に不思議な「生命デザイン」だといつも感じる。蛹の生物学的定義はこうである。

完全変態をする昆虫が幼虫期と成虫期との間に経過する特殊な発育段階。幼虫器官の退化と成虫器官の形成が起こる。はね・胸脚などを備えるがほとんど機能しない。普通は移動せず,食物もとらない。(『大辞林』)

他方、日本人は古来、凹んだ場所や空洞に、はかなく移ろう「生命」の動向を敏感に感じ取ってきたらしい。しかもそこに、どこからともなく到来した情報が「ウツクシ(美)」へと変化するプロセスをも重ね合わせるようにして、生命世界を認識してきたらしい。それがウツワやサナギの観念史の要のようだ。かつて松岡正剛氏が「サナギ」はギリシア語では「プシュケー(魂)」にあたると指摘したことが強く印象に残っている(『情報の歴史を読む』341頁)。サナギは生命を響かせるウツワとしての魂ということか。「コーラ」(プラトンデリダ)との関係がちょっと気になる。