迷子の迷子の子猫ちゃん

人生の一場面で途方に暮れる、迷子になることはよくある。そして人生という生きられる時空全体のなかで迷子になるということもある。だから、「人生訓」のような「人生地図」が役立つこともあるのだろう。

混乱とか混迷と言われる複雑な状態のことを考えていて、それは要するに一種の「迷子」状態だ、と思い至った。そしたら、ふと「迷子の迷子の子猫ちゃん」というフレーズが頭に浮かび、うろ覚えの歌詞を口ずさんでいた。

調べてみたら、その歌の題名は「犬のお巡りさん」だった。そうだった! すっかり忘れていた。忘れることも記憶のうち。それが機械の記憶(記録)とは決定的に違うところだ。

一見他愛ない歌詞は、実は人の世についてまわる複雑な混乱や混迷状態をシンンプルに表現していると感じた。自分がどこにいてどこに向かおうとしているのか分からない。そもそも自分が何者かさえ分からない。そういうことを知ろうともしない。当人さえそれと気づいていない混乱、混迷の状態はありふれている。もちろん、「困ってしまって、ワンワンワンワーン ワンワンワンワーン」と吠えているだけの「犬のお巡りさん」も本当は「迷子」なのかもしれない。交番に連れて帰って、名前をつけて、世話すりゃ、いいじゃない。スガハラさん(id:alsografico)のようにね。無粋な突っ込みでした。