ヌルデ

果実がきれいに無くなったヌルデ(白膠木, Rhus javanica)の木。果実はヒヨドリなどの野鳥の胃袋におさまって、どこまで運ばれて、種子は糞にまじって落とされただろう。今朝の散歩では、見覚えはあるものの、何度か会釈し合った程度で、言葉を交わしたことのない年配の男性が、あれ、犬は? と声をかけてきた。思いがけなかった。通りに面したご自宅の前で雪かきしていたところにちょうど私が通りかかったのだった。例によって、大往生したことを告げた。そうでしたか。それはお気の毒に。いえ、女房とね、最近一人で歩いてるけど、ワンちゃんはどうしたんだろうねって話してたんですよ。そうですか。そうやって覚えていてくださったとは、嬉しいです。どうもありがとうございます。考えてみれば、当たり前のことだが、私の知らないところで、私と風太郎のことが記憶されていることに、新鮮な驚きを覚えた。