ツグミ談義

札幌、曇り。朝のうち小雪がちらつく。寒気によって春が少し押し戻された感じ。気温はマイナス1、2℃か。藻岩神社の石段にうっすらと雪が積もっていた。ツグミ(鶇, Dusky Thrush, Turdus naumanni)を撮影しているとき、背後で軽自動車が停まった。振り向くと、運転席の窓が開いて、丸い眼鏡をかけた愛想のいいオネエサんが、「あれは何ていう鳥ですか」と声をかけてきた。「ツグミですね」「ツグミですか。さっきも、同じ鳥を見かけたんです。ヒヨドリじゃないみたいだし、何かなと思って、...」「ヒヨドリはもっと尾がながくて、色も全体にくすんでいますね」「綺麗な鳥ですね」「そうですね」そこで止めればいいものを、ついつい私はツグミについて”いらぬこと”をしゃべってしまって、後悔した。オネエサんは目を丸くして驚いていたが、そんなにウブではない証拠に別れ際に茶目っ気たっぷりの表情で言った。「美味しいのかなあ!」