坂本龍一・アンソロジー

傷だらけの2002年製造の初代(二代目? はっきりしない)iPod。まだ現役で活躍中。アメリカにいた頃、空気を吸ったり、水を飲んだりするように、このiPod坂本龍一の音楽を聴いていたことを懐かしく思い出す。しかし、このブログ上では彼の音楽についてはついこのあいだ実際に生で演奏を聴くまでは書いたことはなかった。少数民族六ヶ所村PSE法地球温暖化等の諸問題を受けて彼がインターネットも活用しながら起こしたアクションに触発されて書いたものがほとんどだ。私にとっての坂本龍一は、自由な表現活動、ひいては自由な生き方を無闇におびやかすもの、それどころか、すべてを「死滅」へと追いやる動向、そういう兆候を敏感に察知し、レジスタンス(抵抗)の運動を、露骨にノーを叫ぶのではなく、大きなイエスの中に小さなノーの響きを散りばめて、とてもスマートに組織し、浸透させてきた存在だと言えるかもしれない。……そういうわけで、未完の坂本龍一・アンソロジーです。