砂漠の聖性

砂漠

砂漠


ル・クレジオの『砂漠』(河出書房新社)の表紙を飾る「砂漠の聖性」を喚起させるような写真に思わず目をみはった。クレジットには「Harry Gruyaert/Magnum Photo」とある。マグナム・フォト東京支社によれば、ベルギー生まれのハリー・グリエール(Harry Gruyaert, 1941– )は、「1965年に初めてモロッコを訪れ、アフリカの大地、光と影が織りなす風景や人々の生活に強い印象を受け、以来頻繁に訪れ」るようになったという。本家マグナムのサイトでは彼のポートフォリオを閲覧することができる(PortfolioPortfolio II)。17世紀のオランダの画家のような光の捉え方を彷彿とさせる写真が魅力的である。1972年からはパリ在住である。ハリー・グリエールはマグナムから今まで7冊の写真集を刊行している(Books)。そのなかのMorocco(1990)ル・クレジオ『砂漠』のジャケット・フォトに使用された写真が収められている。


MOROCCO