書きたいことが書けない理由は何か

コメント欄での中山さん(id:taknakayama)とのやりとりの中で、「ブログでは書きたいことが書けない」という中山さんの葛藤の言葉が印象的だった。俺には、書きたいけど書けないことってあるだろうか、と改めて自問した。それまでは、もっともな理由から書けないことがあるかのように思っていたふしがあった。しかし、ちょっと違っていることが分かった。

書いていることは書きたいことだ。書けないことは何だろう? それは書きたくないことだろう。例えば、職場や家族に関してはいろいろ書いているようで実はほとんど書いていない。それは書けないのではなくて書きたくない、書くに値しないと思っているからだ。その一見些細な違いは案外大きいような気がする。書きたいことがあれば、書ける範囲で書く。そして書きたくなればとにかくなんとか手段を講じて書くであろう。書けないことがあるとすれば、それはプライバシーだとか、倫理だとかではなく、書きたくないから、書くに値しないと思うからだ。そんな思いこそを最大限に尊重すべきだと感じる。それに、書きたいことはほかにいっぱいあるし。それで充分。終わり。

俺には、書きたいけど書けないという葛藤が実はないことが分かった。うまく書けないという悩みと、書いてしまってから後悔するということはしょっちゅうだし、穴があったら入りたいと毎日のように思う。それは確かだが、それでも懲りずに書き続けているのは、書くことで見えてくることがたくさんあるし、書かなければ見えなかったことがたくさんあるからのようだ。誰かに向けて書いているというより、自分がワクワク、ドキドキしたいがために、自分で自分の目からウロコを落とすために書いているようなところがある。これでも、他人様のために書けるようになることが理想だが、少なくとも今のところそれは遠い理想である。

また書いてしまった。書きたかったから。