私たちは影でないものなど愛せるのだろうか?------ヘルダーリン(アデライダ・ガルシア・モラレス『エル・スール』)
なるほど。瞬時に、私たちは影でないものなど撮れるのだろうか? と翻訳していた。しかし、見る目には、影の中に「遠い記憶の階段をずっと下りて行けそうな」無限の色の諧調が見える、、。
私はそういうもの(人間の記憶の古層に化石のように眠っている色)に向かって無意識にシャッターを押しているのかもしれない(藤原新也『名前のない花』68頁)
よく分かるよ、藤原さん。そして、「内側を見ようとして、いつも外側を見ている」と語ったロバート・フランクのように(http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20091024/p2)、
意識の内側にある未踏領域へ注意深く侵入しながら、同時にいまそこにある世界の皮膜の外へと躍り出ること。(石川直樹『NEW DIMENSION』)
そう、石川さん、それは、新しいと同時に最も古い次元だよね。