孫子の兵法、デザインとアート

将来、投資家になることを目指し、現在システムトレードの勉強をしている2年生の佐々木君による「孫子の兵法」に関する報告があった。「勝つ」すなわち「生き残る」ための戦略に対する幼い頃からの関心がいつしか「孫子の兵法」へと彼を導き、投資家になりたいという願望もまたそのような関心の延長戦上にある。しかしながら、そのような戦略が通用する土俵の限界、さらには、人生の舞台をもっと大きな視野で見ることの必要性を示唆される。


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すでにデザイナーとして自分で仕事をとってきて社会経験を積む一方、止むに止まれぬ衝動から絵を描き続けいてる3年生の石上君による「デザインとはそもそも何か」と題する報告があった。前半は、彼自身の中に分裂的に共存するデザインへの志向性と芸術への志向性を踏まえた、「芸術」と対比しての「デザイン」の意義の説明、後半は、最近仕事として取り組んでいるエディトリアル・デザインの技術的な重点に関する説明。自分の体験を社会的な視野から冷静に観察し、しかもあくまで自分の言葉で説明しようとする姿勢を貫いた優れた報告だった。近いうちに、彼のデザインと芸術を融合するような活動を垣間見ることのできるウェブサイトが公開される予定であり、楽しみである。