シラカバ(白樺, Japanese White Birch, Betula platyphylla var. japonica)を見上げる
苅谷さんは芋を植えていた。芋の他に、これからトウモロコシ(スイートコーン)、トマト、白菜などを植えるという。最近の農家はコンバインで金はかかるが、楽だ。去年の秋に土を起こしておいたので少しは楽だが、全部手作業だから、歳をとるときついとこぼす苅谷さん。でも、育つのは楽しみでしょ? そうだが、それまでが辛い、と言って笑う。そして、コブシがまだ咲かんなあ、と苅谷さんは言う。会うたびにそう言う。その理由が今日分かった。昔の人はコブシの花が咲くのが遅い年は農作物がよく育たないと言ったらしい。それにはなんらかの根拠があるのではないかと慎重な物言いをして苅谷さんはまた笑った。やるべきことをやって、後はなるようにしかならん、あっはっは。これが苅谷さんのモットーである。
オオウバユリ(大姥百合, Giant lily, Cardiocrinum cordatum var.glehnii.)
ホオズキ(酸漿/鬼灯, Chinese lantern plant, Physalis alkekengi)
エゾエンゴサク(蝦夷延胡索, Corydalis ambigua)
エゾエンゴサク(蝦夷延胡索, Corydalis ambigua)
カラフトナニワズ(樺太難波津, Daphne kamtschatica Maxim.)。高さはまだ10cmくらい。せいぜい50cmくらいまでしか生長しない落葉樹である。夏に落葉するのでナツボウズ(夏坊主)の別名がある。ジンチョウゲ属を意味する学名の ‘Daphne’ はギリシア神話の女神ダフネに由来する。
フクジュソウ(福寿草, Far East Amur adonis, Adonis ramosa)にハナバエ(花蝿, Anthomyiidae)。フクジュソウの英名、学名に見える Adonis はギリシア神話に登場する少年の名。穀物の死と復活の神で、狩りの最中にイノシシに化けた軍神アレスに突き殺され、その血から同じキンポウゲ科のアネモネ(Anemone, Anemone coronaria)が生じた。アドニスはあの愛・美・性の女神アフロディテに愛されもした。そしてそのアフロディテは元来は古ヨーロッパの豊穣の神、地母神だった……。面白いのはアネモネは学名にも Adonis の記憶はとどめていないことである。アネモネは「風」を意味するギリシア語の「アネモス(Άνεμος)」に由来する。
ミズバショウ(水芭蕉, Asian skunk cabbage, Lysichiton camtschatcense)。仏炎苞(ぶつえんほう)、、。
ツリガネタケ(釣り鐘茸, Tinder fungus, Fomes fometarius)、食不適。