2011-03-02 てめえ自身の中に開くべき花 詩 人生 その日のうちにやらねばならぬ仕事がない場合には、私は五時を過ぎたらすぐに帰る。用事もないのに、グズグズしていることを私は好まない。同様に私は、酒の席でのサラリーマンの話題が、いわゆる人事問題となりがちなのも好まない。酒はやはり「両人対酌すれば山花開く」とゆくべきで、この都会には花はないから、われわれがてめえ自身の中に開くべき花を栽培すればいいのである。 辻征夫「こっちは曇」より