エウロアメリカポプラ(Hybrid black poplar)





エウロアメリカポプラ(Hybrid black poplar, Populus × euroamericana Rehder)。通称改良ポプラ。ヨーロッパクロポプラとアメリカクロポプラ他とを交雑して作り出された雑種。いわゆるポプラ(セイヨウハコヤナギ)と違って樹形は縦長ではなく横に広がる。先の尖った広三角形の葉は長さ約8センチ。

 ポプラというのは、もともとはヤナギ科の属名Populusのことである。和名ではヤマナラシ属、あるいはハコヤナギ属という。ヤマナラシはハコヤナギの別名である。
 ポプラ属は、北半球の温帯に約30種が自生している。中でも、よく知られているのは、北米産のアメリカポプラ、北欧原産のイタリアポプラなどの数種があり、これらを総称してポプラともいう。葉柄が長く風がふくと葉が接触してさらさら鳴る。ポプラということばの原義はこれからきているという。また、樹型が先の尖った羽状の特異な形をしていることも特徴である。
 日本のポプラ属ではヤマナラシ、ドロノキ(このシリーズのドロノキ参照)、チョウセンヤマナラシの3種が自生している。ドロノキはポプラ属だが樹型は、紡錘型である。ヤマナラシもはっきりした羽状の形にならない。
 日本で同じポプラといわれていても、種類が違うこともある。よく知られている北海道大学のポプラ並木のポプラはヨーロッパクロポプラ(European black poplar)である。日本ではクロポプラとも呼ばれている。全欧に分布し、日本にも明治中期に導入され、北海道の風景を形造るようになった。
 東京の新宿御苑のポプラは、クロポプラの変種でイタリアポプラ(セイヨウヤマナラシ)である。イタリアポプラの幹は通直で、枝は上向き、葉の長さは4〜12センチ、先が尖り、縁に細かいギザギザがある。樹型は羽状になる。樹姿が美しく、並木に適し、造園的に防風林などに世界各地で広く植栽されている。
 東京の街路樹として植えられているのは、樹高が低くて暑さにも強いカロリナポプラで、つやのあるひし形の葉をもち、よく風に揺らぐ。


  「樹木の個性を知る, 生活を知る」(ゑれきてる)から


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