廃庭のシモクレン(紫木蓮, Mulan magnolia, Magnolia quinquepeta)
オオデマリ (大手毬, Japanese snowball, Viburnum plicatum var. plicatum f. plicatum)
ヒメカンゾウ(姫萱草, Narrow dwarf daylily, Hemerocallis dumortierii)
夏花という言葉を最初に使ったのは『ルバイヤット』の訳者森亮かと思っていたら、すでに先蹤(せんしょう)があった。ほかでもない森亮の「夏花」の語を戴いた伊東静雄第二詩集『夏花』の中の追悼詩「沫雪(あわゆき)」を捧げられている立原道造そのひとだ。彼の第一詩集『萱草(わすれぐさ)に寄す』の大見出しの一つはまさに「夏花の歌」。『萱草に寄す』の刊行は昭和12(1937)年だから、森亮訳『ルバイヤット』発表より二年早い。すると、静雄の詩集『夏花』は、彼が共に将来の叙情詩を担うことをひそかに願った道造にまず捧げられているのかもしれない。
(中略)
同じく「夏花」といっても、静雄がどちらかといえば木の花派なのに対して、道造は草の花派。
(中略)
道造・静雄を顕彰するためにも、夏花を新季語に立ててもいいのではないか。高橋睦朗「花をひろう 夏花(三)」(朝日新聞2011年6月11日)から
カザグルマ(風車 [鉄線], Clematis, Clematis hybrida)
シロヤマブキ(白山吹, Black jetbead, Rhodotypos scandens)
オオヤマレンゲ(大山蓮華, Magnolia sieboldii)。薬効。
ナガミヒナゲシ(長実雛芥子[雛罌粟], Long-headed poppy, Papaver dubium)。薬効。
ムラサキツユクサ(紫露草, Spiderwort, Tradescantia reflexa)
オダマキ(苧環, Columbine, Aquilegia flabellata)
「おかあさん、笹の葉どうするの?」「笹餅に使うんだよ」「そうなんだ」
オオハナウド(大花独活, Cow parsnip, Heracleum dulce Fisch [Heracleum lanatum])。薬効。
ボタン(牡丹, Peony, Paeonia suffruticosa)
オオバナオケラ(大花朮, White atractylodes, Atractylodes macrocephala)?
ハコネウツギ(箱根空木, Japanese weigela, Weigela coraeensis)
フジ(藤, Japanese wisteria, Wisteria floribunda)
トウモロコシ(玉蜀黍, Corn or Maize, Zea mays)
ボケ(木瓜, Flowering quince, Chaenomeles speciosa)