2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧
昨日は出かけた先で実はひどい症状に見舞われて焦っていた。報告するのを躊躇った。駅ビル内の大型書店での出来事だった。分野にも判型にも関係なく、書籍、雑誌の区別なく、どの棚の前に立っても、どの本を手に取ってページを捲っても、皆同じような「顔」…
札幌、晴。藻岩山のスキー場ゲレンデの雪もこの三日間でみるみる少なくなっていった(→ Mt. Moiwa, March 31st, 2008)。 冬を超したハマナス(浜梨, Japanese Rose, Rugosa Rose, Rosa rugosa)の実。 開花せんとするクロッカス(crocus, Crocus)。ピンぼ…
詩人の吉増剛造は「妖精」と書いて「ハングル」とルビを振った(『「雪の島」あるいは「エミリーの幽霊」』(集英社、1998年、14頁))。「ひらがな」とはルビを振らなかったのは何故なのかとずっとどこかで考えていた。 #GungSeo #PCMyungio 最近、パソコン…
所用でJR札幌駅に行った。 駅ビル内のデパートで飲食店の案内掲示板が目に留まった。狭い枠の中でそれぞれ工夫を凝らして個性を競っているなあ、面白いなあと思いながらしばし眺めた。ロゴを見ているだけで食べたり飲んだりした気分にちょっとなる。さすがに…
札幌、五日ぶりの青空が広がる。藻岩山(→ Mt. Moiwa, March 30th, 2008)から吹き下ろしてくる北風が冷たい。 フクジュソウ(福寿草, Far East Amur adonis, Adonis ramosa,[Adonis amurensis])が朝陽を浴びて眩しいほど輝いて見えた。ふと、フクジュソウ…
杉浦康平編著『アジアの本・文字・デザイン』(asin:4887521960)のなかで、インド・カリグラフィーの第一人者であり、詩人、デザイナー、タイプフェイス・デザイナーでもあるジョーシー(R. K. Joshi、1936年、インド、マハラシュートラ州サングリ生まれ)…
ジョナス・メカスのパフォーマンスに指とパソコンの警告音で参加した。 Fragments of Life: Mekas reacts to "Revolution is over", 61sec 意味的なことがらはこちらで。 Revolution is Over, Liquid Architecture:365Films by Jonas Mekas(2007-05-10) L…
日本語の組版に関して多くの編集者やデザイナーが参照してきたのが『組版原論』第2章である。なかでも「和文組版ルールと技法のベーシックス」は詳細な「ページネーション・マニュアル」になっている。その内容全体を本文中の見出しを掬い上げ番号付けした…
組版原論―タイポグラフィと活字・写植・DTP ページと力―手わざ、そしてデジタル・デザイン作者: 鈴木一誌出版社/メーカー: 青土社発売日: 2002/10メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 19回この商品を含むブログ (24件) を見るアジアの本・文字・デザイン―杉…
少し冷え込んでるなと思ったら、雪がうっすらと積もっていた。散歩中も小雪がちらついていた。藻岩山が三日ぶりに姿を現したが、右側東斜面が少し白くなっていた。 左下に小さく写っているのは幽霊ではなくて、いつも「めんこいねえ、めんこいねえ」と風太郎…
カタカナって不思議な文字だと思っていた。ハイカラでどこか気に障る雰囲気を持ち、でも実際には八面六臂の活躍をしている。明治生まれの祖父母が文章やメモを漢字カタカナまじりで書くのを不思議な気分で眺めていた幼い頃を思い出す。同じ仮名でも、カタカ…
愛を成就せんがための「護符」と周囲に添えられた漢字片仮名交じりの文言。室町末期の『呪詛秘伝書』から(『組版原論』57頁) これは、府川充男氏が、片仮名の持つ呪力を解説する場面で例に挙げた室町末期の写本『呪詛秘伝書』からの資料の一部である。府川…
Chinese crab apple, Malus prunifolia or Malus×cerasifera冬を超したヒメリンゴ(姫林檎)の実。札幌、小雨。今朝も藻岩山は見えなかった(→ Mt. Moiwa, 28th, 2008)。 タンポポ公園のクワガタムシ(鍬形虫, Stag beetle, Lucanidae)がようやく全身を現…
ここまで来たら(実はどこにいるのか本人はまだよく分かっていないのだが)、避けて通るわけにはいかないなあと観念しているのが複雑な感情を抱いてしまう漢字という文字。いつの間にか私の奥深くに根付いて恐るべき力を発揮しているのが、今こうして文字を…
府川充男氏は文字を語るに際して当たり前のように「書風」という言葉を使う。古風だなあ、と最初は違和感があったが、書体、書体と語ってきたなかで、実は私は書体と書風を混同していたことにはっきりと気づいた。府川氏によれば、文字の「形」には三つの「…
札幌、雨。藻岩山はすっぽりと雲に覆われて見えなかった(→ Mt. Moiwa, March 27th, 2008)。雨の日は、透明傘をさして散歩するのが好きだ。傘を打つ雨音を聞きながら、濡れた傘を通して見る風景もまた一興。ただ手が塞がり、写真があまり撮れないのが難。剪…
府川充男著『組版原論』(太田出版、1996年)は内容もさることながら、その本自体に注ぎ込まれた当時の組版知識・技術の最高峰、最先端が知れるという面でも大変興味深い。組版を論ずる本である以上、その本自体の組版の質も当然問われる。そのことに無自覚…
府川充男著『印刷史/タイポグラフィの視軸』(asin:4916043820)を読みながらメモした基本語彙集。 用語 意味 備考 版心 袋とじの中央部 - 魚尾[ぎょび] 版心に摺られた黒いベタ - 中本[ちゅうほん] 天地約19センチ、左右約13センチ 一番ポピュラー 半紙本 …
拾ってきたプラタナスの枝2本。長さはキーボードの横の長さほど。30センチから40センチ。直径は太い方が親指くらいで、細い方が人差し指くらい。とにかく見かけ以上に固くて重い。切断面を観察すると、放射状のかなり稠密な組織である。しかも周囲とは異質…
あるお宅の庭先に今年初めて見る花が咲いていた。見覚えのあるフクジュソウ(福寿草, Far East Amur adonis, Adonis ramosa)だ。花を見ると季節がめぐってきたことを実感する。そして、昨年学んだ「スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)」という言葉…
府川充男著『組版原論』(asin:4872332725)の「タイポグラフィへの視線」(9–62頁)は豊富な図版資料を基にして「文字」をめぐる歴史、風俗、文化、文明を縦横に駆け巡る非常に中身の濃いもので、いずれここでも取り上げたい話題が満載だが、ひとつだけ特に…
『印刷史/タイポグラフィの視軸』(asin:4916043820)の「近代日本活字史の基礎知識」で、府川充男氏は江戸期の書体に関して当時の身分差別の観点から次のように述べる。 江戸期に、庶民が明朝体の書物を読んだりすることはまずありえませんでした。つまり明…
「先生、最近ちょっと肩に力が入りすぎてるんと違います?これでも読んで、力を抜いた方が見通しよくなると思いますけど」とは言わないが、そんな空気に包まれて一冊の大型本が届いた。デザインを生業にしているタクオが、私の十年遅れの牛歩の歩みを見るに…
忘れた頃にやって来たジョナス・メカスの本。以前何度も言及した村田郁夫訳『どこにもないところからの手紙』(書肆山田、2005年)よりも早く2年前に出版された仏訳本である。後半に英訳も収録されている。表紙写真がとてもいい。 Jonas Mekas Lettres de Nu…
新芽、若葉に目が行く。 スズメ(雀, Tree Sparrow, Passer montanus)。「スズメはあなどれない」のだった。 ヤマガラ(山雀, Varied Tit, Parus varius)、久しぶりに見た。忙しなく動きまわるのでフレームにおさめるのがやっとだった。昨年は3月から4月に…
江戸時代に庶民が親しんでいた書体をできるかぎり知りたいと思っていた。ちょうど府川充男著『組版原論』(asin:4872332725)の第1章のはじめ「タイポグラフィーへの視線」はいわゆる「江戸文字」の話から始まっていた。「江戸文字」といっても、仔細に見れ…
築地体三号細仮名 書体見本(大日本スクリーン「日本の活字書体名作精選」) 小宮山博史氏の解説「毛筆書道の流れをうけつぐ流麗な仮名」 築地体後期五号仮名 書体見本(大日本スクリーン「日本の活字書体名作精選」) 小宮山博史氏の解説「現在まで影響を与…
カラスとスズメは毎朝見かける。 原生林の前を通り過ぎようとしたとき、視野の片隅に微かな違和感が生じた。何だ?と思って目を凝らしたら、幹に沢山のキノコが寄生した樹があった。目一杯ズームして撮影した。サルノコシカケではなさそうだ。未同定。 ヒヨ…
書物のページには表と裏がある。表紙側が表である。そしていわゆるページ付けでは、表(recto)には奇数、裏(verso)には偶数の番号を振るという組版ルールがある。専門家の間ではページに振られる番号のことを「ノンブル(nombre)」とフランス語風に呼ぶ…
札幌、晴れ。今朝の藻岩山(→ Mt. Moiwa, March 23rd, 2008)。 このところ日中は暖かくなるが、朝晩はまだ冷え込み、道ばたや空き地の水たまりなどには薄氷が張る。新米のミルトンと初対面。まだ1歳にして風太郎より一回り大きい。ミルトンか。失楽園を連…