2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧
町内の通学路の歩道に積み上げられた雪の上に氷の燭台がならぶ。防風用のペットボトルは思い思いに彩色されている。 なかには、氷そのものに変化をつけようとして、造花を氷漬けしたものもある。 びっくりしたのは、本物の海老の氷漬け!
町内のアイスキャンドル祭を参観するのと並行して、今年はふと思いたって、自宅玄関の両脇に一個ずつアイスキャンドルを作って置いた。自分の手ではじめてアイスキャンドルを作った。家にある四角いバケツと丸いバケツにお湯を張って(水だと気泡がたくさん…
この世の誰も知らない花(2011年01月14日) 以前、辺見庸の「だれも知らない花」と題したエッセイに登場する謎の花キリンナツバナは辻征夫の詩篇「キリンナツバナ」に由来することを見た。それは単に架空の植物の名前ではなく、詩と呼ばれる精神のいわば曠野…
チェーホフとオリガ チェーホフとトルストイ アントン・チェーホフは1860年1月29日ロシア南部のタガンログに生まれ、医師および作家として生き、1904年7月15日にドイツのバーデンワイラーで結核で死んだ。享年44歳。最期の言葉は、ほとんど知らなかったはず…
エゾヤマザクラ(蝦夷山桜, Sargent cherry, Prunus sargentii)とヤマモミジ(山紅葉, Japanese maple, Acer palmatum var. matsumurae)のある家 「ちょっと傾いているかな? これでいいか」と呟きながら、愉しそうに、今夜から始まる町内のアイスキャンド…
言葉の闇を歩く あなたの記憶とさびしさを 風に鳴る紙垂のようにぶらさげて 夜 あなたの知らない記憶に火を灯す
夢のなかに行方不明の叔父さんが現われて呟いた。 「嘆くことはない。消滅する路地は、ひとの内面に場所を移すだけだ」*1 (でも、それを記憶したひともいずれいなくなるでしょ?) 「それが嫌なら、お前が一篇の詩のなかにでも場所を移せばいい」 *1:辻征夫…
少なくとも一日に一度は自分を壊す激しい叫び声を上げる夢をみては、狂った現実を優しく抱き締める彼の囁く歌声を真似て、世界の危ういバランスを保つ。無残な通りが路地になるまで。
コリンゴ(小林檎, Japanese flowering crab, Malus sieboldii Rehd.) バラ(薔薇, Rose, Rosa) イボタノキ(水蝋樹/疣取木, Ligustrum obtusifolium) ライラック(紫丁香花, Lilac, Syringa vulgaris) ヤマモミジ(山紅葉, Japanese maple, Acer palma…
チョウセンヒメツゲ(朝鮮姫黄楊, Korean boxwood, Buxus microphylla var. insularis) 期待と不在 南側 北側
たこ八郎(1940–1985)がヴェルレーヌ(Paul Marie Verlaine, 1844–1896)の詩句を呟いたという逸話が伝えられる。はじめてそれを聞いた時、意外ではなかった。むしろ腑に落ちた。 たこ八郎は、元全日本フライ級チャンピオン斉藤清作である。現役時代カッパ…
ヴィンセント・ムーン(Vincent Moon, born in Paris, August 25, 1979)監督の友川かずきのドキュメンタリー映画。 上映情報 花々の過失アーティスト: 友川かずき出版社/メーカー: インディペンデントレーベル発売日: 1993/02/16メディア: CD クリック: 1回…
from id:mmpolo 見果てぬ夢が彼を通り過ぎ、逃れ去る瞬間のイメージが画布に塗り重ねられていった、、。 冬の赤い海は 流木と風ばかりで 水際までの砂と岩は冷たく黒く 海鳥の航跡が 見果てぬ夢の 引き込み線になる ミカミマサオ「流木と海鳥」より
白樺にシジュウカラ(四十雀, Great tit, Parus major) 昨日、サフラン公園のテーブルの上に作った4つの雪だるまは跡形もなかった サフラン公園の東屋の雪だるまはかろうじて残っていた 新作雪だるま カナ、十歳 モモ、六歳 小坂さんの遊び心。ただの「山…
小坂さん(左)と池田さん(右) 町内のご意見番、小坂さんの紹介で藻岩碁会所のオーナーの池田さんに会った。実は数日前に、小坂さんから、池田さんが本を処分したがっているからもらってやってくれないかと頼まれたのだった。池田さんは亡くなったご主人の…
ドロノキ(泥の木, Japanese poplar, Populus maximowiczii A. Henry)、別名ドロヤナギ(泥柳)。 シジュウカラ(四十雀, Great tit, Parus major) ムクゲ(木槿/無窮花, Rose of sharon, Hibiscus syriacus) 小森さんの遊び心 サフラン公園のベンチに転…
ある日、散歩から戻ると、郵便受けに一枚の葉書が入っていた。十数年来の付き合いのあるMさんからだった。付き合いといっても、年に数回、仕事上の用件で会い、仕事の話をするだけだった。個人的な話はほとんどしたことはなかった。でも、お互いにどこか仕…
年が明けてから、真冬日が多い。日中の最高気温が氷点下5℃以下という日も数日あった。それでも、朝の散歩の時には、秋からずっとフェルトのオヤジ帽(形による分類ではポークパイハットと呼ばれるらしい)で通している。半ば惰性だが、ちょっとした理由もあ…
マサキ(柾, Japanese spindle, Euonymus japonicus) カラマツ(唐松, Japanese larch, Larix leptolepsis Gordon) ホップ(西洋唐花草, Hop, Humulus lupulus) 「何してるんですか?」「靴底にスパイク代わりにネジを打ってるんだ」と小森さん。「へえー…
町内の御意見番、小坂さんと立ち話していたら、「ビーグル」という名のビーグル犬が通りかかり、小坂さんにまとわりついて離れなかった。ビーグルの年齢は飼い主のおばあさんにも不詳。多分10歳くらいとのこと。 太助(たすけ)、6歳、が私にまとわりついて…
「愉しいことは何にもねえ。この世はウンザリだ。切ない。早く塚本さん(昨年亡くなった方)とこに行きたいよ」が口癖の佐々木さんに久しぶりに会った。腰に両手を当てて、切なそうに歩いていた。しばらく姿を見かけなかったので、てっきり椎間板ヘルニアの…
水道工事現場 (a scene of the waterworks)
セイヨウミザクラ(西洋実桜, Wild cheerry, Prunus avium) まるで墓のような揺籃のような(2009年04月21日) 中野さんと中野さんが修復してくれた雪だるま 今朝新しく作ったツララのアンテナ付きの雪だるま 今朝もサフラン公園の東屋に中野さんがいた。フ…
『続続・辻征夫詩集』現代思潮社、80頁 辻征夫に「バートルビ」と題した散文作品がある。メルヴィルの小説『代書人バートルビー』にちなんだ話である。ブランショやデリダやドゥルーズやアガンベンの哲学的分析より面白い。 ある時「ぼく」は知り合いの映画…