2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

コロラドトウヒ

廃庭になぜかまだレンギョウ(連翹, Forsythia suspensa)の花が、、 生け垣の冬囲い(雪囲い)は珍しい 苅谷さんちの畑 エゾノコリンゴ(蝦夷小林檎, Manchurian crab, Malus baccata var. mandshurica)。灰褐色の太い枝が切られ、横から赤褐色の細い枝が…

黒い雨、白い虹、暗紫色の小さな花

asin:4101034060 井伏鱒二『黒い雨』を久しぶりに、二十年以上ぶりに読む。特に「原爆小説」あるいは「戦争文学」という文脈では読んでいない自分に気づく。もちろん、凄惨な被爆現場や被爆者の緻密な描写には改めて感心したが、それよりもむしろ登場人物の…

まなざしの聖杯

asin:4806756016 asin:4884180100 土門拳『生きているヒロシマ』(1978)を見ながら、藤原新也の『花音女』(2003)を思い出していた。前者において原爆によってこの世の瀬戸際に立たされた少年少女を含む人々の姿が、後者において経済的繁栄の中でこの世の…

ガリュー、ツルマサキ

上野さんちの餌台に雀がたくさん集まっていた 空地のノラニンジン(野良人参, Wild Carrot, Daucus carota) めったに見かけない光岡自動車の「ガリュー(Galue)」。ちなみに、ガリューの語源は「我流」とのこと。 オオウバユリ(大姥百合, Giant lily, Car…

佐野眞一・アンソロジー

現代の遠野物語(2009年02月19日) 里見甫と甘粕正彦(2009年02月21日) ノンフィクションの作法(2009年03月02日) 棄民(2009年03月03日) 宮本常一が残した10万枚の写真(2009年03月04日) 瓦礫の思想、ゴミの思想、0円モデル(2009年03月05日) 荒木経…

アメリカの爺がやって来る

カリフォルニアにいた時に仲良くなったロンから「とうとう日本に行くことになったぞ。会えないか、マサ」という内容のメールがあった。京都と高野山にしばらく滞在するという。ロンらしい。京都では町屋を借りるという。しかも、新しいガールフレンドと一緒…

オオウバユリ(大姥百合, Giant lily, Cardiocrinum cordatum var.glehnii.) エゾマツ(蝦夷松, Spruce, Picea jezoensis) 苅谷さんちの畑 道 エゾノコリンゴの木にトウキビ キク(菊, Garden mum or Chrysanthemum, Chrysanthemum morifolium) 水道工事 …

クレマチス

アキノエノコログサ(秋の狗尾草, Japanese bristlegrass, Setaria faberi)。「猫じゃらしはアキノエノコログサ」(2008年09月03日)参照。 オオウバユリ(大姥百合, Giant lily, Cardiocrinum cordatum var.glehnii.) 苅谷さんちの畑 櫻の切り株 エゾノコ…

Fingermarks of Flowers

asin:4763005316 「Fingermarks of Flowers」、「花々の指紋」か。 花たちもまた、指紋のごとき個性を持っていた。花々は、美を求める人間たちの添え物なのではなかったのだ。かれらは水準以上に抜きん出た命であり、沈黙のうちに完全な自由を許容する命であ…

牧野さんの悪戯

餌台。数種の異なったエサが置かれている。 藁葺き屋根の餌台。こだわりが感じられる。 シロタエギク(白妙菊, Dusty miller, Senecio cineraria) ニワナズナ(庭薺, Sweet alyssum, Lobularia maritima) ヌルデ(白膠木, Rhus javanica) キク(菊, Garde…

証券会社と旅行社

2年生の佐々木君によるある証券会社の取引疑似体験コンテスト参加に関する報告があった。疑似体験と言っても、相手は現実の市場である。バーチャルマネー300万円を元手にして、建設、石油、証券、小売りの5銘柄の株の取引を実際に体験することを通じて、複…

ひと続きのこの旅

熊木杏里「君の名前」 熊木杏里「風の記憶」

カラマツ

藻岩神社境内のカラマツ(唐松, Japanese larch, Larix leptolepsis Gordon) カラマツの落ち葉 カラマツの幹。樹皮の様子。 ヤグルマギク(矢車菊, Cornflower, Centaurea cyanus)

歴史する(doing history)

『風の旅人』 16号 - FIND the ROOT 「世界」と「人間」のあいだ - HOLY PLANET 他人事のように実体化されがちな歴史にサヨナラを告げて、親密な語りに積極的に巻き込まれながら、ぼくらは日々刻々と歴史する(doing history)存在なのだ、と主張した今は亡…

喰い残しの歌

『風の旅人』 37号 - FIND the ROOT 永遠の現在 - 時と悠 新約聖書のヨハネによる福音書で描かれた世界のはじまりの光景には前史がある。旧約聖書の創世記である。偶然のような必然だったが、『風の旅人』(2009年6月、37号)に掲載された姜信子さんのエッセ…

物語と人間の行方

『風の旅人』 38号 - FIND the ROOT 彼岸と此岸 - 時の肖像 姜信子「一引き引いたは、千僧供養」(83頁〜86頁)を読む。これは説教節小栗判官の物語をめぐって、この世の理不尽を超える何か、独りであって独りではないはずの人間と物語の希望、について語っ…

退屈で、たまんねえ!

ある朝、サフラン公園の東屋でめずらしく(というのは、私が「サフラン倶楽部」と名づけた、メンバーは入れ替わるが、少なくともいつも四、五人はいる、お年寄りたちのグループの中にいることが多いから)独りで腰掛けて俯いているSさんに声を掛けた。腰の…

カラマツ

苅谷さんちの畑の向こう側には原生林が広がる 藻岩神社境内のカラマツ(唐松, Japanese larch, Larix leptolepsis Gordon)。アスファルトが落葉した黄葉に覆われていた。 餌台 冬囲い シラカバ(白樺, Japanese White Birch, Betula platyphylla var. japon…

寒気少し緩む

キク(菊, Garden mum or Chrysanthemum, Chrysanthemum morifolium) エイジツ(営実)。ノイバラ(野茨, Multiflora Rose, Rosa multiflora)の果実。 ボケ(木瓜, Flowering Quince, Chaenomeles speciosa) ヤグルマギク(矢車菊, Cornflower, Centaurea…

30年20万枚の軌跡

asin:4582277748 本書は、30年間で20万枚超の写真を撮り続けた長倉洋海(ながくらひろみ)さんの旅の人生の記録への入口である。1980年のローデシア、ソマリア、パレスチナ、南アフリカ、カンボジア、アフガニスタン(「第1章 ゲリラたちの戦線」19点)、198…

煙突

昨日少し降り積もった雪はほとんど解けて消えた。車で出勤途中、窓越しに愛しのハナに挨拶する。認知されなかった。職場の6階の窓から札幌の南西方面の山並みを眺める。標高600メートル弱の藻岩山の雪は消えた。わずかにスキー場のゲレンデが薄らと白い。藻…

宮本常一が撮った昭和の情景

asin:4620606391 asin:4620606405 本書『宮本常一が撮った昭和の情景』(上下巻)は、宮本常一が昭和30年(1955)から昭和55年(1980)まで全国津々浦々を歩いて見て撮った十万枚の写真から約三千枚を選んで編集された大型本の『宮本常一写真・日記集成』(…

雪の花

] 藻岩山 ノラニンジン(野良人参, Wild Carrot, Daucus carota) ネコ オダマキ(苧環, Columbine, Aquilegia flabellata) チョウセンゴミシ(朝鮮五味子, Schisandra chinensis) コムラサキ(小紫, Purple beautyberry, Callicarpa dichotoma) シラカバ…

その名はマレンコフ

新宿ゴールデン街で六十年間流しを続けて九月に八十二歳で亡くなった「マレンコフ」こと加藤武勇さんのドキュメンタリー映画がまもなく完成するという。「懐古的な映画ではなく、彼の人間性に迫るような映画にしたい」と意気込みを語った大上典保監督のドキ…

歌の取引

ブルース・チャトウィンは、”パリ”ノートと称したモレスキンの手帳をパスポートよりも大事に扱った。チャトウィンは旅先でモレスキン手帳に、おもしろく感じたことや、心奪われたさまざまな観念や、引用や、出会いなどを記録し続けた。彼の代表作の『ソング…

アマゾンの「おばあさん」の寓話

asin:4198930724 旅人や研究者が辺境と呼ばれる土地や紛争地域や文明の圏外から持ち帰った写真や言葉は圧倒的に美しく、正しい。だが、それ故に、そうではない場所で生きるぼくらにとってはそれらは何の役にも立たない、そんな生活、そんな時代に戻ることな…

目ざめてカーテンを開けたら、外は白かった。空き家だけでなく人が住む家々の屋根もまだ白かった。道路の雪はほとんど解けてシャーベット状。滑るのは承知の上で底のすり減ったスニーカーで家を飛び出した。滑りながら歩くのも悪くない。塚本さんちの黄色と…

ビロウ? ビンロウ?

前からちょっと気にかかっている植物名がある。 花の里の長老と、ひときわ高い声の女性の歌い手が並んで立って、それぞれ人の背丈ほどもある太い竹の先につけた大きな鈴を鳴らして、シンシンシン、鈴と一緒につりさげた瓢箪と人の頭ほどの大きさの作り物の檳…

種(たね)に根づく

asin:4167340062 こんな変わった言葉がある。 人は土地に根づくのではなく、種に根づく(佐野眞一『大往生の島』85頁) これは周防大島に昔から伝わる島民の「華僑的」とも言える海洋民的性格をよく表した言葉だという。特に沖家室漁民には、魚を追ってどこ…

窓を通して

空家の屋根の雪。人が住まなくなった家の屋根には雪が残る。 フロントガラスに残った雪。ワイパーの拭い取りの境界線。 街路樹にヤドリギ(宿木, Mistletoe, Viscum album)が五つ。