(吊花、水楢、藻南公園野球場、白膠木、三葉空木、ピレネー風露、稚児百合、甘野老、芍薬、牡丹、西洋大丸花蜂)
ツリバナ(吊花, Japanese spindle tree, Euonymus oxyphyllus)
ミズナラ(水楢, Japanese oak tree, Quercus crispula)
誰もいない空き地のような野球場を見るのが好きだ。散歩圏内に豊平川に面したけっこう立派な野球場がある。バックネットがあるのはもちろん、周囲は金網で囲われている。本格的なダグアウトはないが、一塁側と三塁側には屋根付きの長い木製のベンチが置かれ、ダイヤモンドの中央には小高いマウンドがあり、外野には芝生がはられ、ナイター用に6機の照明塔が設置されている。ただし、ライトフェンスの外側の十メートルほど先は川である。ライト方向のちょっと大きなホームラン打球は豊平川に落ちるだろう。その白球が石狩湾までプカプカと流されていくのを想像するのは愉快だ。野球場の外側を反時計回りに一周するのが習慣になっている。植物や野鳥の写真を撮る合間に、空想の目は、難しいゴロをうまくさばく遊撃手の動きを追ったり、ダイアモンドを一周する走者を追ったり、外野フライを背走する野手を追ったりすることもある。
小学6年生の夏のある日、同級生のDに誘われて入団した少年野球チームの公式試合でリリーフとしてマウンドに立った時のことを思い出そうとするが、陽射しの強い日だったことぐらいしか思い出せない。たしかに投じたはずの白球の行方も思い出せない。Dはエースだった。Dの父親が監督をつとめるチームだった。しかし、なぜか、あの夏の日以来、まともに野球をした記憶もDと話した記憶もない。今頃Dはどこかの少年野球チームの監督をつとめているかもしれないな。
夏草やベースボールの人遠し 正岡子規、1898(明治31)年
ヌルデ(白膠木, Rhus javanica)。薬効。
ミツバウツギ(三葉空木, Staphylea bumalda)
ピレネーフウロ(ピレネー風露, Hedgerow crane's-bill, Geranium pyrenaicum)
チゴユリ(稚児百合, Fairy bells, Disporum smilacinum)、別名ホウチャクソウ(宝鐸草)。
アマドコロ(甘野老, Angular Solomon's-seal, Polygonatum odoratum)。薬効。
左シャクヤク(芍薬, Chinese peony, Paeonia lactiflora)、右ボタン(牡丹, Peony, Paeonia suffruticosa)
セイヨウオオマルハナバチ(西洋大丸花蜂, Buff-tailed bumblebee, Bombus terrestris)