毎朝見るのを楽しみにしていた「廃庭」のヤブカンゾウとギボウシが数本、茎の途中から乱暴に捥ぎ取られていた。日を追ってその変化を撮影してきただけに残念だ。蕾が少しずつ色づき昨日の朝にはやっと開き始めたギボウシを撮れなかったのはとくに残念だった。主(あるじ)を失って人の手が入らなくなってから十年くらいたつ近所の庭を私は勝手に「廃庭」と名づけ、新しい主が現れるまでは、墓守ならぬ庭守よろしく見守ってきたつもりだった。生前の主は毎日朝から晩まで庭の手入れをしていた人だった。庭を覗くたびに草木を大切にするその人の面影がちらつく。そういうわけで、今朝はヤブカンゾウの花もギボウシの花も撮ることはできなかった。
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ツユクサ(露草, Dayflower or Widow's tears, Commelina communis)。薬効。
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡, Pokeweed, Phytolacca americana)、別名アメリカヤマゴボウ(亜米利加山牛蒡)。有毒。
ヒメカンゾウ(姫萱草, Narrow dwarf daylily, Hemerocallis dumortierii)。ヤブカンゾウ(薮萱草)と同じく一日花。薬効。