竹ひごが焦げる匂い


頂き物の水羊羹が入っていた竹筒を再利用して竹風鈴もどきを作った。輪状の吊り下げ部分は太めの竹ひごで作り、吊り下げ用の糸は凧糸を用いた。竹ひごを蝋燭の炎で焙りながら少しずつ曲げる作業は小学生の頃以来だったが、要領は手が覚えていた。竹ひごが焦げる匂いは香ばしい。懐かしい匂いだ。まだ父母も祖父母も皆生きていた頃の情景が次々と浮かぶ。ここはどこだ? 来年の夏には、この竹風鈴もどきの一種のオブジェは、本格的な竹風鈴になっているかもしれない。このままでも、揺れてぶつかり合った竹筒はカラン、コロンといい音を出す。