言語哲学入門

受講生の皆さん、今晩は。

前回の前半は『論考』というテキストの特異な構造、その背景にあったヴィトゲンシュタインの仕事の環境とスタイル、そして思考のリズム等を知ってもらました。自分の力を存分に出せる環境作りの大切さという意味合いも籠めて。

後半は『論考』の「入口」と「出口」をつなぐ上で避けて通れない「論理学」について、思い切り編集した「20分で分かる現代論理学講座」:-)をやりましたが、どうでしたか?ヴィトゲンシュタインが相手にした命題論理と述語論理のエッセンス、そして彼がそこに見てとった「意味」と「限界」、さらにはそこからの彼独自の思考の展開のあらすじに関して、ある程度の見通しはついたのではないか、と真剣に耳を傾けてくれていた皆さんの空気からは感じました。もちろん、不明な点、疑問な点などは一杯あるはずです。そんな点のどれかをテーマにしてレポートを書いてくれてもOKですよ。

次回以降は特に「限界」ということをめぐって、『論考』の「内側」を踏破し、『哲学探究』も視野にいれながら、本物の「言語哲学」の心髄に触れていく予定です。お楽しみに。