情報文化論:旅のルーツ

受講生の皆さん、こんばんは。

(今日は、講義の後、かなり消耗した体に喝を入れて、大分以前にチケットを購入してあった「タンゴ」をkitaraに鑑賞に行ってきました。「憂鬱を官能に変える作法」というテーマで一度お話した、あの「タンゴ」です。アルゼンチンからやって来た老ギタリストと老バンドネオニストの演奏は素晴らしかった。彼らの孫のような若い男性歌手の歌もよかった。女性ダンサーはなかなか官能的でよかったけど、男性ダンサーが踊りにキレがなく官能的じゃなかったのが残念でした。ラテンというだけで毛嫌いする人やバンドネオンの音色を「女々しい」からと嫌う人もいるのですが、あの「女々しさ」が凄くいいのです。「女々しさ」を深くくぐり抜けて立ち昇ってくる情熱と官能、つまり「人生」。)

本日の講義は、

1)前置きとして、「情報文化論シナリオ0620」を敷衍(ふえん)し、大学生活でも「コスト意識」をしっかりと持ち、「元をとる」気持ちで授業に臨むこと、自分で自分を育てるために、自分の中のネガティブな感情を少しずつ解消していく方法、「分からない」を「分かる」へ持っていく方法、そして情報整理術と文房具活用法について突っ込んだお話をしました。面白がってくれた人が多かったようで、何よりです。

2)「10旅のルーツ」を使って、「旅」をテーマにして、その本質を抉(えぐ)ってから、中世の情報文化論的エッセンスを東西の「巡礼」、「対イスラム」を深い動機にして成立するヨーロッパの思想的本質に的を絞りに絞って解説しました。併せて、宇宙史から始まったこの講義の情報の流れを総括しました。「09ヨーロッパの成立」と「10中世物語編集時代」と「図版資料」と「情報の歴史1050-1275」に目を通して知識を補っておいてください。特にヨーロッパよりも三百年早いと言われる中国における儒学ルネサンスの動向や「経済」という日本語のルーツである「宋学」のシステム、「経営」という日本語のルーツである「山水画」の技法や「三遠」と呼ばれる遠近法等は面白くないはずがないトッピクです。また最初の本格的な大学はバクダッド大学だったという象徴的なトピックも要チェックです。

明日早朝からの出張の準備のため、時間がとれず、以上簡単すぎるまとめで、悪しからず。