情報文化論

星地図をめぐって

今日の情報文化論最終講義では、私の「星地図 The Stars Map」も一資料として使用しました。ブログを介した情報と人のつながりの広がりと深まりの意義についても話すためでした。「大分にはね、悠ちゃんとリュウちゃんでしょ、京都には山ちゃんと洋ちゃんた…

いざ北へ2008その12 金城さんのプロフィールを使って最終講義を行う

予告通り、金ちゃん(id:simpleA)のヴィジュアル系プロフィールhttp://www.geocities.jp/simpleb_test/等を教材の一部に使用して、情報文化論の最終講義を行いました。私の勝手な「金ちゃん論---ウェブ時代のひとつの生き方」、そのつたない解説に耳を傾け…

アレクサンドリア・ルネサンス

情報文化論受講生のみなさん、前々回お話した古代のアレクサンドリア図書館に関連して、坂ちゃんこと坂東さんがインターネット上の最先端の知的動向の一環について興味深いことを書いているから読んでみてとアナウンスしたのを覚えていますか。これです。 新…

会社はなんのためにあるか、作るか

情報文化論受講生の皆さん、こんにちは。今回の主要テーマは「宗教と国家の起源:神の情報文化史」です。ヒトが群れ、部族、民族、さらには国家、帝国と結束力を強めながら拡大していくメカニズム、あるいは分裂するメカニズムのあたりを中心にお話しする予…

タイポグラフィの考え方を学ぶ

asin:456850337X 『タイポグラフィ(デザインの現場BOOK)』(美術出版社、2008年)の頁を捲っていて、「欧文書体のルールとマナー」が目に留まった。嘉瑞工房三代目の高岡昌生氏への「デザイナーが知っておきたい欧文組版の考え方」についてのインタビュー…

情報文化論2008 舞台裏 第4回 文字の発生

GWで運良く、運悪く、二回休講をはさんでの、第4回の講義の準備をしながら、情報の伝わりやすさについてつらつら考えていた。字数の多いレジュメやタフテがこき下ろした情報密度、情報解像度の低いパワーポイント資料をあでもない、こうでもない、と結構楽…

ローレンツ追悼

受講生の皆さん、第二回の講義で紹介したカオス理論の創始者の一人エドワード・ローレンツ(Edward Norton Lorenz, 1917–2008)が16日に亡くなったことを英国のハダスフィールド大学の図書館で働くデイヴのブログで今日知りました。 RIP: Edward Lorenz("Se…

情報文化論2008 第3回 分類の起源と消息

宇宙史、生命史とたどってきて、今回は生物進化史、特に「意味の動物」としてのヒトの誕生に焦点を当てますが、例によって、皆さんのこれからの生き方に直結する知性の働かせ方の話をベースに据えます。お楽しみに。 1職業選択のために 記憶力と調査力 2世…

情報の未来形

情報はもっと自由にオープンにつながるはずだ。そんな情報の未来形について考えています。前回「分類」を糸口にして、「私」自身が新鮮な分類そのものになる、と話したこともその一環でした。情報はまだまだ不自由に分類されている。あるいは十分に分類され…

情報文化論2008 第2回 From Chaos to Order 世界は君に秩序づけられることを待っている

今回、講義を受けられなかった人は読んどいてね。先ずはシナリオ的メッセージから。 さて、「私」は混沌としているようにも見える世界のなかに改めて入って行こうとしている。世界はどうなっているのか、どこからどうやって世界の真相に近づくことができるの…

春学期がスタートして

先週から春学期が開始して、私が担当する講義ものの情報文化論、情報倫理、論理学入門も初回を一通り終えました。情報文化論では大学生としての自覚を深く促しつつ、情報文化史的な背景を押さえた上でインターネットをフル活用した知的生産のための態勢作り…

情報文化論 2008 第1回 インターネットは君に開拓されることを待っている

情報文化論の受講生の皆さん、こんにちは。今日からいよいよ2008年度春学期の講義が始まります。楽しみですね。公式の情報はシラバス等で承知していることと思います。ここでは、非公式というわけではありませんが、本音の部分を少しだけ告白して、講義に賭…

これが私の仕事現場のひとつです:教室にて

講義開始直前の教室の風景。まだ、入口でうろうろしている学生もいる。 撮影に強力してくれた皆さん、ありがとう。そして話を真剣に聞いてくれてありがとう。よく見ると、やっぱりポーズをとっている奴もいるなあ(^^)

情報文化論2007 第13回 世界システムからシステム世界へ

今回は、ラストスパートです。19世紀、20世紀、そして21世紀、2007年の今年までを、一気に駆け抜けます。実は、この講義の基礎的な資料である『情報の歴史』は初版が1990年、増補版が1996年刊です。増補版の年表は1995年までしかありません。1994年のページ…

情報文化論2007 第12回 資本主義と欲望の鏡:市場と劇場

今回の舞台は18世紀です。18世紀は多様です。いままで見てきた時代もそれぞれに多様ですが、18世紀は現代の私たちの感覚や生活に直結するような要素やシステムの観点から多様なんです。面白い世紀ですよ。例によって、膨大な情報への入口を二つに絞り込みま…

情報文化論2007 第11回 ウツワの情報文化史:縄文土器から織部の沓形茶碗まで

今回は、世界とのつながりを視野に入れつつも、極東の日本に焦点を合わせて、縄文土器から古田織部の沓(くつ)形茶碗までの「やきもの」と「うつわ」の変遷に注目しながら、日本の情報文化的特質を概観します。日本人の器物に対する感受性は世界でも類をみ…

情報文化論2007 第10回 ルネッサンスとバロック

今回は15世紀から17世紀、ルネッサンスから近世にかけての時代を舞台にして、ルネッサンスのいわゆる魔術的精神の動向とそれの方法的自覚としてのマニエリスム、そしてバロックの逸脱的精神の動向を、世界の記憶術の観点から洋の東西を串刺しにして概観しま…

情報文化論2007 第9回 巡礼とアルタ・オルビス(別世界)

今回は十字軍の遠征からルネサンス前夜まで、11世紀から14世紀までが主な舞台です。いわゆる中世です。例によって、ポイントを二つ、にぎゅっと絞り込みます。いわゆる「ヨーロッパ」とは何なのか、をめぐって、ヨーロッパの形成過程を外側と内側とから挟み…

情報文化論2007 第8回 講義余情

私が担当する「情報文化論」という一般教養的な講義は、中国、モンゴル、韓国をはじめ、ベトナムやネパールからの留学生も受講している。総じて、留学生たちのモチベーションは高い。だいたい彼らは講義室の前列を陣取る。今週の講義の主要なテーマでもあっ…

情報文化論2007 第8回 東方の思潮:仏教の展開とイスラム

今回は目を「東方」に転じます。10世紀までが舞台です。西ではヨーロッパがヨーロッパをだんだん自覚するようになる時期に、東方ではイスラム世界が活気を呈していました。その影響もあってさらに東ではインドに誕生した仏教が中国へ半ば追いやられるように…

情報文化論2007 第7回 二大帝国と世界宗教:世界の手鏡、反世界、古代の情報発電所

今回の講義の要点です。 情報文化論2007 第7回 二大帝国と世界宗教:世界の手鏡、反世界、古代の情報発電所1ローマ帝国と漢帝国の共通点 1.1強い皇帝 1.2百科事典の登場 1.3ネットワーク 1.4編集技術2ローマ帝国と漢帝国の相違点 2.1思想 2.2科学と医学 2…

情報文化論2007 第6回 古代情報のデータベース化:ギリシア神話と古代都市アレキサンドリア

前回は、そもそも人類はなぜ「神」を発明したのかという大問題を念頭に置きながら、古代における「神々の黄昏」(ワーグナー)ないしは「神々の闘争」(ウェーバー的な意味ではない)の模様を、主にアッカド帝国の成立、その後のゾロアスター教とヒンドゥー…

情報文化論2007 第5回 宗教と国家の起源:神の情報文化史

前回は復習を兼ねながら、一気に、「宇宙→情報=生命→DNA(RNA)→神経系→脳→大脳→声→線刻→文様→輪郭図→土器→文字の発生」にいたる一筋を追いました。年表では紀元前1万数千年から紀元前2000年にいたる時期です。後半はオラル・コミュニケーション成立以降の歴…

情報文化論2007 第4回 魔術の起源と文字の発生

受講生の皆さん、こんばんは。連休はどうでしたか。明日から授業再開です。名残り惜しいかもしれませんが、ここは思い切ってモードを切り替えましょうね。大学の授業も知的に遊び尽くす術を身につけましょう。私はご覧の通り、一見いつもと変わり映えしない…

私の検索論

情報倫理と情報文化論の受講生の皆さん。インターネットにおける大きな変化の認識を深めるなかで、私がこの一年間に特に「検索とは何か」をめぐって書いた記事の内主要なものを古いものから順に一覧にしましたので、目を通してみてください。いまだにちゃん…

情報文化論2007 第3回 人間の誕生と意味の発生

受講生の皆さん、こんにちは。4月17日の「復習」に書いたように、明日の第3回目は「ヒトの誕生にいたる生物進化=情報進化の具体的なシナリオを追って、「脳」を舞台にした人類史の序章に入ります」が、その前に前回解説した宇宙を舞台にした双子のような情…

情報文化論2007 第2回 復習

受講生の皆さん、今日の講義はどうでしたか。まず皆さんの許可を得て撮影した写真を公開します。 私の方からは、皆さんの様子はこんな風に見えているわけです。今日は、雑談で始めたインターネットの話しが思わず長引いてしまいましたが、内容的にはかなり面…

情報文化論2007 第2回 生命と情報

受講生のみなさん、こんにちは。 先週の第1回目の講義はどうでしたか。難しかった?心配しなくて大丈夫です。だんだん慣れていきますから。「講義のあとさき01」(「1コンプレックスの解消法、2楽しむ術、3情報の整理術)」でも話したように、何事でも「…

情報文化論 2007 第1回 情報文化論とは何か:情報は編集される

情報文化論受講生の皆さん、こんばんは。明日から講義が始まります。明日の講義ではオリエンテーションをかねて、この講義の狙いやアウトラインをつかんでもらう予定です。あわせて、大学の講義を初めて体験する一年生の皆さん、就職活動に忙しい四年生の皆…

レポート題名一覧

受講生の皆さん、こんにちは。 ちょっと遅くなりましたが、約束通り、参考までに、三上研究室>情報文化論のページ最下部に「合格した」全レポートの題名一覧をアップしました。同一題名は括弧内に人数が表記してあります。私の判断で長いタイトルは一部省略…